きょう13日に発足する「第二次岸田再改造内閣」。中でも目立ったのは、過去最多に並ぶ女性閣僚5人起用です。

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こども政策担当相として、初入閣が固まったのが当選3回で44歳の加藤鮎子衆院議員(44)。父親は、官房長官や自民党の幹事長を務めた、加藤紘一氏です。

同じく40代では、2期目で小児科医の自見英子参院議員(47)が、地方創生担当相に抜てき。

さらに、復興相として土屋品子氏(71)初入閣、上川陽子元法相(70)が外相に起用されるほか、高市早苗経済安保相(62)は留任となりました。

松野官房長官や河野デジタル相ら6人が留任となり、政権の骨格は維持する形に。
岸田総理の内閣改造は、国民の信頼回復の一手になるのでしょうか?

狙いは「刷新感」?自見氏の起用について

今回の改造内閣に関して、元NHK解説委員でジャーナリストの岩田明子氏は…。

ジャーナリスト 岩田明子氏
ジャーナリスト 岩田明子氏

ジャーナリスト 岩田明子氏:
ぱっと見たときに、安定感とそれから刷新感を出そうということのはざまで、すごく苦悩がにじむという印象でした。
(5人の女性起用について)ここは、岸田首相が当初から女性閣僚を増やしたいと周辺にも言っていて、最もこだわったところだと思うんです。
支持率の低迷に苦しんできましたので、ここで刷新感を出して、支持率アップにつなげたいというのもあると思いますし、また日本の政治は国会議員に女性が少ないとかねてより指摘されていましたし、自民党もこの10年以内に女性の国会議員を3割にしようという目標を掲げていますので、このタイミングでなんとか5人は確保したいなと、選んだのではないかなと。

そんな、新女性閣僚の中で気になる経歴の持ち主が。今回、地方創生担当相に抜てきされた自見英子議員(47)。

2020年の厚労政務官時代、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で“新型コロナ”集団感染の対策指揮あたっていた際に、共に乗船した橋本岳副大臣との密会報道がありました。両氏の事務所はこれを否定。二人はその後結婚しています。

さらに2021年4月、コロナ禍で「まん延防止等重点措置」期間中に政治資金パーティーを開催。陳謝するということもありました。

――このような過去のある自見議員を選んだ理由はあるのでしょうか?
ジャーナリスト 岩田明子氏:

やはり、国会議員の1割しか女性はいませんので、実際選ぶとなると身体検査に引っかかったり、色々と制約が出てきてしまう。その中で選ぶとなると、まず政策ができるかどうか、答弁能力があるかどうかと。自見さんは実際にプリンセス号でのオペレーションに臨んだわけですし、ご自身も医師で厚労省マターには詳しく、ジェンダー政策にも詳しい。また、フットワークがいいんですね。それから、岸田さんが配慮を示す参議院の枠でもあり、女性でもあり、非主流派である二階派の議員でもあると。この三要素が、マイナス面を上回ったのではないかなと。

人気取り?実力重視?

「めざまし8」のスタジオゲスト陣は、今回の改造内閣をどう見たのでしょうか?

金子恵美氏
金子恵美氏

金子恵美氏:
まず全体としてジェンダーギャップが世界的に見ても146カ国中125位というのは、やはり閣僚の男女比が悪いということもあったので、そういうメッセージ性があったと思うので、それは良かったと思うんですけど。
私、自見さんって、子ども政策もいいなと思っているんです。液体ミルクというものを事務局で取り上げて、今や粉ミルクではなく液体ミルクが日本に広がったのも自見さんの功績でもあると思いますし。ただ、バックに医師会がいらっしゃいますから。
今で言うと地方の医療ひっ迫の問題を、地方創生とからめて改善していってほしいなという思いもあります。

MC谷原章介:
加藤鮎子議員は前職コンサルタントですから、地方創生にも向いていそうな気がしますが。

金子恵美氏:
そうですね、山形選出ですし、地方の実態はおわかりだろうなと。そこは担務がね。でも加藤議員はお子さんもいらっしゃいますし、子育てされていると、実態が分かっているということで、今回の重要政策ですかね。子育て支援を担当されるのだろうと。

左:金子恵美氏 右:若狭勝弁護士
左:金子恵美氏 右:若狭勝弁護士

若狭勝弁護士:
結論から言うと、私はあまり期待していないんですよね。
内閣改造って行われるのは二つの目的なんです。一つは政府が強い政策を推進するための実務的、仕事ができる人を適材適所で入れ込むという内閣改造。もう一つは支持率が下がってきているときに、目新しいことを打ち出して国民の一時的な支持率を上げようと。
そういう二つの目的があるんですけども、今回多分後者の方だと思うんです。目新しい感じで。
その一環として、やはり女性を増やすということなんでしょうけども、必ずしも適材適所で優秀な人が入っているかどうかというのは、極めて疑問があると。総じて言うとあまり期待はできないと。

そんな中、若狭弁護士は、外務大臣に抜てきされた上川陽子議員に期待を寄せていると言います。

若狭勝弁護士:
一緒に仕事をさせていただいたこともあるし、上川さんはすごく人格者だし、法務大臣も何回かやっていて官僚の評判も非常にいいし。
しかも今回は外務大臣と言うことで、彼女は議員になる前の経歴から言うと、国際的な視点が極めて優れているので、今回の改造内閣に期待できないと申し上げましたけども、上川さんを外務大臣にしたということは、私は非常に評価ができると。

金子恵美氏:
日本の顔として女性が出るというのもすごく対外的にいいですし、本当に実直な方ですし、ものすごく姉御肌で面倒見もよくて、すごく元気もある。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
私は上川さんの胆力を見た瞬間がありまして、安倍内閣でオウム真理教の教祖たちの死刑執行をしましたよね。この死刑執行にサインをするというのは、大変な胆力が必要だと思うんですけど、このときに、決断する前日に安倍総理に自分の携帯電話のメモを渡すんです。
総理と大臣なんだから、携帯なんてわかっているのにあえてメモを渡した。そのメモによって安倍総理はいよいよ上川さんはこの問題に取り組むのだなと悟るんですね。
その心はなにかというと、負担は総理にではなく、自分自身の責任で行うという決意の表れだったと。この方の胆力は、女性としての指導者、閣僚としてもあるなと感じました。

フジテレビ解説委員 風間晋氏
フジテレビ解説委員 風間晋氏

フジテレビ解説委員 風間晋氏:
いずれ総選挙というのが見えていますから、やはり1年くらいの任期なんでしょと。
実を言うと、僕は上川さんのことに関してはちょっと違う意見を持っていて。
要するに今年は1年間を通じて日本はG7の議長国ですから、議長国である1年間の間で、林さんから上川さんに変えてしまうというのは、諸外国からみてどういう風に受け止められるのかなと。国内事情優先なんだねと受け取られるのではないかなと。

金子恵美氏:
総裁選の再選を目指したという布陣であることは間違いないとは思いますね。派閥とか。

MC谷原章介:
まずはこの改造内閣でどういう具体的な政策を出してくださるのか、そこを注目したいですね。
(めざまし8 9月13日放送)