若い世代を中心にトレンドとなっている“昭和レトロ”は、リアルタイムで経験した“昭和世代”にとっては、懐かしくノスタルジック。当時を知らない“平成世代”にとっては、ユニークで新鮮に感じられているようだ。
山陰でも続々オープンしている“昭和レトロ”をコンセプトにした店を、「JALふるさと応援隊」の岡山梨沙さんが取材した。

レコードを“ジャケ買い”する人も

いま“昭和レトロ”がブームになっている。山陰でも“昭和”を感じさせる店が、次々オープンしている。そのひとつが、島根・出雲市の「北村電機レコード」だ。

レコードの数に驚く岡山さん
レコードの数に驚く岡山さん
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お店を訪れた「JALふるさと応援隊」の岡山梨沙さんは「たくさんのレコードが並んでいますね。洋楽に邦楽、そしてアニメまで、いろいろなジャンルのものがありますね」と驚いた様子だ。

「北村電機レコード」は、2022年にオープンした。元々は「北村電機ストアー」として、家電製品の販売や電気工事を手がけてきたが、代表の北村友和さんが「新事業」としてレコードの販売を始めた。

そのきっかけは、昭和の定番商品「ポータブル・レコードプレーヤー」が、16年ぶりに生産再開されたことだ。

北村さんはDJをやっていて、多くのレコードを持っていた。プレーヤーを店で扱うのなら、あわせてレコードも販売しようと考え、取りそろえた。店内には、北村さんが大切にしてきたコレクションの他、新たに仕入れたり、知人から買い取ったりしたレコード約7,000枚が並んでいる。

かわいいデザインのレコード
かわいいデザインのレコード

JALふるさと応援隊・岡山梨沙さん:
このスヌーピーのジャケットとってもかわいいですね

北村電機レコード・北村友和代表:
レコードプレーヤーを持っていない人も、こういうかわいいジャケットとか、デザインがいいジャケットがあると、いわゆる“ジャケ買い”という形で、インテリアとして買っていく人も結構いる

アナログならではの音が若者世代に人気

インテリアとして買う人もいるとはいえ、やはり「音」を楽しんでほしいと、店内ではこんなサービスも行っている。

JALふるさと応援隊・岡山梨沙さん:
「アバ」が大好きだったのですが、こちらを実際に試聴することはできますか?

レコードをかける北村代表
レコードをかける北村代表

北村電機レコード・北村友和代表:
大丈夫ですよ

JALふるさと応援隊・岡山梨沙さん:
CDで聴くよりやわらかい音質ですね

北村電機レコード・北村友和代表:
レコードは、スピーカーから出た音を針がもう一度拾って、エコーがかかっているような状態なので、音が丸く聴こえるらしいですよ

実は国内でのレコードの売り上げは、この10年で10倍以上に増加した。「昭和レトロ」のブームに加え、配信などを通じて音楽をデジタルで楽しむのが当たり前になった若い世代には、アナログならではの心地よい音が受けているようだ。

北村電機レコード・北村友和代表:
ネットで検索して、サブスクで聴いてみた曲をレコードで聴いてみたいという理由で買い求めにくる人もいる。10代から20代中盤くらいの、レコードになじみがない世代から「感動した」くらいまで言われるのはうれしい

北村さんは“昭和レトロ”ブームについて、「古いものに興味持って、古いものを大事にしてもらうというのは、今の世の流れに沿っていると思うので、非常に良いことかなと思う」と話した。

“昭和レトロ”な格好で訪れる若者も

一方、“昭和レトロ”の店は、島根・雲南市にもあった。店内に足を踏み入れると、岡山さんも「昭和」にタイムスリップしたような感覚になったようだ。

2022年にオープンした喫茶店「三ツ星」は、約20年使われていなかった空き店舗を改装した。インテリアも細部にまでこだわり、「昭和」の雰囲気が再現されている。この店の“イチ押し”は、もちろん懐かしき「昭和」の味だ。

JALふるさと応援隊・岡山梨沙さん:
クリームソーダ、カラフルで懐かしいですね。このグラスも「昭和」を感じますね

三ツ星 店主・星野かおりさん:
なるべく“昭和っぽい”グラスを探して、購入しました

「昭和」テイストのファッションを着こなす星野さん
「昭和」テイストのファッションを着こなす星野さん

「昭和」に入れ込む店主の星野さんは、古着ショップで購入したり、友人から譲り受けたりした「昭和」テイストのファッションを楽しんでいる。

星野さんは「来店するのは、若い人は20歳から。まさかこんなにたくさん来てくれるとは思っていなかった。すごくうれしい」と話す。

わざわざ「昭和レトロ」な格好をして店を訪れる若者もいるということで、「昭和」テイストならではの派手な色使いも新鮮に受け止められているようだ。

三ツ星 店主・星野かおりさん:
20代の女の子と50代のおじさんが、ここで交流して一緒に歌を歌ったり、歌を教えてもらったりして盛り上がっている。私はお客さんの笑顔が何よりも好きなので、こちらも幸せになるし、本当にやってよかったなと思う

令和の時代からタイムスリップしたような「昭和」テイストの空間。「昭和レトロ」は単なるブームにとどまらず、「昭和」と「平成」2つの世代が理解を深めるひとつのきっかけを提供しているともいえそうだ。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

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