島根・松江市に新しくオープンしたシーフードレストラン。店の外観も出される料理もインパクトがあり、話題になっている。街なかの空き家に新たな命を吹き込むユニークな取り組みをJALふるさと応援隊の三好亜実さんが取材した。
料理も内装もインパクト大!
そのレストランは、松江市の飲食店街・伊勢宮近くにあった。

JALふるさと応援隊・三好亜実さん:
レトロな雰囲気ですね
4月末にオープンした「4GATS(クアトロガッツ)」。外観はレトロな雰囲気だが、中へ入ってみると…。

JALふるさと応援隊・三好亜実さん:
別世界に迷い込んだようでワクワクします。秘密基地に入ってしまったような気もします。

貼り合わせたスイッチや配管などのしつらえは何とも特徴的、まるでテーマパークのようだ。

この店はシーフードレストラン。自慢はエビを使った料理だ。
JALふるさと応援隊・三好亜実さん:
オマールエビの身がしっかりしていておいしいです。上のチーズと中のエビが絶妙にマッチしていて、口の中いっぱいにエビのおいしさが広がります。この別世界のような雰囲気で食べると、普段味わえない体験ができます

メニューは他にも、チーズあふれるエビカツバーガーや地元産・日本海でとれたカレイを使ったフィッシュアンドチップス。そして、エビをまるごと使ったクリームコロッケなど、他の店にはない料理にこだわっている。

この個性的な店のオーナーシェフ、内久保太一さんに聞いた。
JALふるさと応援隊・三好亜実さん:
どうしてこのような店が生まれたんでしょうか?

「4GATS」オーナーシェフ・内久保太一さん:
この家は、僕が昔住んでいた実家だったんですけど、空き家になってしまった。そこを壊してしまおうかと思ったんですが、やっぱり地域の役に立つものとして活用したいと思った。想像をはるかに超えたものができてしまい、びっくりしかなかった
モニュメントの正体は…
この建物、もともとは築約50年の古民家だった。

リノベーションを手掛けたのは、アートディレクターの松尾謙太郎さん。松江市出身で、以前は首都圏に拠点を置き、有名テーマパークのデザインに携わるなど第一線で活躍していた。

3年前地元に戻ってからは、こうした店舗のプロデュースを手掛けている。地元でのリノベーションは、この店が5軒目だ。

JALふるさと応援隊・三好亜実さん:
一番気になるのがこの大きなモニュメント。これは何からできているんですか?
アートディレクター・松尾謙太郎さん:
洗濯機の中身なんです
JALふるさと応援隊 三好亜実さん:
洗濯機の中身…洗濯槽?

アートディレクター 松尾謙太郎さん:
洗濯槽なんです。見た瞬間、こいつはエンジンだと思って。こいつの力でみんな動いてるんだって

よく見ると、プランターや自転車の部品など身近なものも利用して、個性的な空間を作り出している。

今回の改装作業で松尾さんは、自身の技術を若い世代に伝えたいと考え、解体から仕上げまでの作業には、島根大学の建築デザイン学科の学生たちも加わった。そして、約8カ月をかけ、古いものと新しいものが融合したファンタジーな雰囲気あふれるレストランが完成した。

松尾さんは「自分の技術も含めて、その気になればできるんです。楽しんでもらいたいので、ちょっとでも携わって、新しい技術だったり、おもしろいことに挑戦してもらえれば」と、その思いを話した。
「ランドマークのような店に」
空き家だった実家が「唯一無二」の店に生まれ変わった内久保さんは、自慢のシーフード料理とともに、コロナ禍もあって沈みがちな飲食店街を盛り上げたいと意気込んでいる。

オーナーシェフ・内久保太一さん:
この辺りは昔と比べてにぎやかでなくなってきているので、うちの店を中心に周りがにぎやかになるような、ランドマークのような店にしたいと思っています
まだまだ使える空き家に手を加え、再生するリノベーション。

古い建物に命を吹き込み、街ににぎわいを呼ぶ松尾さんらの取り組みは、全国各地で近年課題になっている空き家利活用のモデルケースにもなりそうだ。
(TSKさんいん中央テレビ)