2019年、36人が亡くなった京都アニメーション放火殺人事件。
9月5日に裁判員裁判が始まり、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)は起訴内容を認めた。
この日を、遺族はどのような気持ちで迎えたのか。

子どもからも聞いて欲しいと…「なんでこんなことしたん」

事件で犠牲になった寺脇(池田)晶子(しょうこ)さんの夫は5日朝、裁判所に向かう途中で、胸の内を語った。

5日朝、裁判所に向かう途中で、胸の内を話してくれた晶子さんの夫
5日朝、裁判所に向かう途中で、胸の内を話してくれた晶子さんの夫
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寺脇(池田)晶子さんの夫:
やっと始まったかなっていうのが…。
(青葉被告の姿を)見たいとか、見たくないじゃなしに、見ないといけないなというのが正直な気持ちかな。
見て何か感じることがあるやろうし、感じたこともやっぱり晶子にも、子どもにも報告せなあかんし。

人気アニメ作品「涼宮ハルヒの憂鬱」のキャラクターデザインを手がけるなどしていた晶子さん
人気アニメ作品「涼宮ハルヒの憂鬱」のキャラクターデザインを手がけるなどしていた晶子さん

晶子さんは、人気アニメ作品「涼宮ハルヒの憂鬱」のキャラクターデザインを手がけるなど、京アニを代表するアニメーターだった。

晶子の夫は、息子のためにも、裁判に参加することを決めたという。

寺脇(池田)晶子さんの夫:
子どもからも、聞いてきてって言われてることでもあるんですけど。「なんでこんなことしたん」って。
可能なら、反省してるのかどうなのかって(聞きたい)。

「真相を知りたい」願った父 願い叶わず

数々の作品の「色彩設計」を担当していた石田奈央美さん(当時49)も、この事件で命を奪われた。

様々な作品の「色彩設計」を担当していた石田さん
様々な作品の「色彩設計」を担当していた石田さん

事件発生から4年。
裁判で「真相を知りたい」と願っていた奈央美さんの父は、8月、この世を去った。

裁判に行きたいと願っていた父親は、8月に死去した
裁判に行きたいと願っていた父親は、8月に死去した

奈央美さんの母:
(裁判)行きたいってな、一緒に行こうなって言ってたんやけど。そんなところやなくなってきた。
警察には、私ら年いってるから早いこと(裁判を)やって欲しいんですって言ってた。
どうしようもないけどね。早くして欲しかったけど、もたへんかったな…。

一方、この事件で孫を亡くした遺族は、取材に対し「裁判に行きたい気持ちはゼロではないが、被告の様子を直接見たり、声を聞いたりするのも耐えられない」と話した。

5日の廷内の様子
5日の廷内の様子

審理は143日間と長期にわたり、判決は2024年1月25日に言い渡される予定。
(「Live News days」9月5日放送より)