コースセッティングの変更により、今年から国内ツアーのパー70として史上最長の7,424ヤードとなった第51回フジサンケイクラシック。
そんなモンスターコースで、推定370ヤードのビッグショットを練習ラウンドから見せているのが、ツアー３勝目を狙う河本力（かわもとりき・23）だ。
プロ2年目の若手選手ながらドライバーの平均飛距離は、日本人トップの320.89ヤード。
◆今季日本人 ドライバー平均飛距離◆
1位 河本 力 320.89ヤード
2位 杉原大河 312.08ヤード
3位 池村寛世 310.94ヤード
この記録は2022年の世界1位、キャメロン・チャンプの321.4ヤードに匹敵する。
飛距離を生み出す肉体の秘密
世界レベルの飛ばし屋に、爆発的な飛距離を生み出す秘訣を聞くとこんな答えが返って来た。
「高校時代に3年間で30キロぐらいかな、増量して距離が70ヤードぐらい伸びました。それは完全に飛距離を求めてやりました」
実はこの河本、高校入学当時は約60キロだった体重を3年間で97キロにまで増量。身長183センチの体を大きくしたことでパワーアップしたのだという。
「ずっとご飯食べまくって、プロテインも1日中、5、6回飲んでましたね。やっぱり米と肉ですね。米と肉はとりあえず死ぬほど食べました、本当に。でも、まだまだ死ぬほど食べていこうと思ってます（笑）」
さらにもう一つ、飛距離を伸ばした要因があった。
「高校の時にウェイトトレーニングが大嫌いだったんで、ストレッチの器具がたくさんあって、それをたくさんやってたらこの柔らかさが身につきました。サボってよかったみたいな（笑）。ウェイトが嫌いだったんで、ストレッチに逃げてて、今考えるとそれが良かったなと思います」
それを証明するのが、肩関節や肩甲骨まわりの柔らかさだ。
立ち上がった状態でゴルフクラブのヘッドとグリップの内側辺りを、左右それぞれの手で短く握ると、頭の上から背中方向に移動させる。河本はそこからさらに、腕を伸ばしたまま腰の位置まで、いとも簡単に下ろすことが出来るのだ。
「ゴルフは同じ動きをずっと続けますし、遠くに飛ばすのはすごく体に負担をかけます。長時間の練習にも耐えきれなくなってしまうので、ストレッチとか柔軟性は重要視しています」
肩関節まわりの柔軟性によって、可動域が広がった河本。下半身と上半身の捻転差が生み出すスイングスピードのアップにより飛距離が伸びたのだ。
目指すは“より正確に、より遠くに”
国内ツアーナンバーワンの飛ばし屋となった河本に、飛距離にこだわる訳を聞いた。
「後々というか、将来的にどうなりたいっていう自分があって、飛距離がないと絶対世界で活躍できないと思うので、“より正確に、より遠くに”、というふうに頑張ってます」
「やっぱり世界に出て、今の最高峰のツアーがPGAツアーなんで、そこで戦うためにも飛距離が出た方が絶対に有利ですし、チャンスも多いですし。『日本人は飛ばないって言わせたくない』というか。やっぱそういうのもちょっとあるんで、まだまだ伸ばしていこうと思っています」
史上最長の難コースとの戦い
そんな世界基準に目標を置く河本が、今週戦う舞台は長年の改修をへて進化を遂げた富士桜カントリー倶楽部だ。今年からパー70に変更され、その距離は7,424ヤード。国内ツアーのパー70の大会として史上最長の難コースが待ち受ける。
河本はこう意気込む。
「とりあえずラフが長くて、グリーンが硬くて、距離が長くて、いやもう“ザ、難しいコース”というか、難易度がすごく高い印象ですね」
――3拍子揃っていますか？
もう全部揃ってます。距離も、ラフの長さも、グリーンの硬さ、速さ、傾斜も。すごいですね。
――攻略ポイントは？
どれだけフェアウェイから打てるか、セカンドショットが大事になってくると思っています。やっぱりラフから打つとグリーンまで届かないですし、グリーンで止めることもできないですから、そのあたりがすごい大事になってくると思いますね。
――意気込み、目標あれば教えてください。
すごい難しいコースで、みんな多分、我慢比べだと思うんで、しっかり我慢して、毎日アンダーパーでプレーすることが目標なんで、しっかりアンダーパーのプレーをして。最終日、いい位置で優勝争いできるように、この大会を盛り上げられるように頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。
「より正確に、より遠くに」世界を見据える河本力が、難コースに挑む姿に注目だ。
◆51st フジサンケイクラシック 放送スケジュール◆
9月2日(土)第3日 午後1:35～2:50 LIVE(全国ネット)
9月3日(日)最終日 午後1:30～3:00 LIVE(全国ネット)
地上波フジテレビ系列生中継
