ジャンボ尾崎、松山英樹、石川遼など、数々のスーパースターが熱戦を繰り広げた男子ゴルフ「フジサンケイクラシック」が、9月1日(木)に開幕する。

今年で50回目を迎えるこの大会が行われる富士桜カントリー倶楽部(山梨)で、ただ一人連覇を成し遂げている石川遼(30)が、名門コースの難しさと魅力を語った。

石川遼が語る名門“富士桜”の難しさ

この記事の画像(12枚)

1973年に始まり、節目の第50回を迎えたフジサンケイクラシック。

6度の優勝を飾ったゴルフ界のレジェンド・ジャンボ尾崎(75)や、マスターズ王者となった松山英樹(30)など、数々のスーパースターがこの舞台で輝きを放ってきた。

戦いの舞台・富士桜カントリー倶楽部は、雄大な富士山を望む美しい景観でありながら、 日本屈指の距離を誇る「モンスターコース」だ。この富士桜で2009年、2010年と、唯一連覇を成し遂げている“ミスター・フジサンケイ”石川はその魅力をこう語る。

「気の抜けるホールは基本的にないですよね。18ホールすべてが違う顔を持っている。その時その時の調子で小細工できるようなコースではないという印象が富士桜にはあります」

18H右バンカー「入った瞬間に終了」

富士桜カントリー倶楽部の高いアゴ
富士桜カントリー倶楽部の高いアゴ

なかでも、石川が最も重要だというのが最終18番ホール(パー4)だ。 ティショットで、最初の右バンカーに注意が必要だという。

「右バンカーに入らないようにしないといけない。 ボールがとまる位置からアゴ(バンカーのフチ)までの距離が近くなるのと、アゴが高くなるのと。

ウェッジでバンカーから出すだけしかできない絶望的な状態に今までなっていましたね。右のバンカーに入った瞬間に試合が終了するというようなイメージになる。

どこに行ってもいいから飛ばそうという簡単なホール、簡単なティショットではないので、そこが面白いという感じですね」

絶体絶命!石川遼のミラクルショット

左よりも高い右のアゴ。

18番ホール目の優勝がかかる場面で、百戦錬磨のプロ達もこのバンカーに涙を飲んできた。その18番で劇的ドラマを生み出した選手こそ、2010年、当時18歳の石川だった。

トップを1打差で追う展開の中、石川はティショットでその右バンカーを避けようとして、逆に左バンカーに入れてしまう。

「左のバンカー入った瞬間に、周りからは“厳しい”状況に見られたのですが、自分にとっては右のバンカーに入れなかっただけOKというような。意外とポジティブな感じでセカンドショットに向かいましたね」

トップと1打差、バーディを取らないと負けが確定してしまう絶体絶命の状況の中、石川のセカンドはピン手前に落ち、思わず何度もガッツポーズを掲げた。

「18番を想定していたわけではないですけど、とにかくあの当時はよくフェアウェイバンカーから練習をしていたので、あのショットは、本当に練習を再現していくような感じでしたね」

土壇場のミラクルショットでバーディを奪うと、その勢いのまま薗田峻輔(当時20)とのプレーオフを制し、連覇を成し遂げた。

そして3勝目を狙った2021年大会では、最終日トップでスタートするも、スコアを伸ばせず惜しくも2位タイとなった石川。50回大会にかける思いは強い。

「本当に小さい頃から見ていた大会ですし、歴史と伝統がある大会で、自分がアマチュアの時に出場させてもらった2試合目のプロの大会でもあり、2009年に勝てた試合でもあり、年々特別な思いが強くなっていくというトーナメントですね。

自分のゴルフ人生にとっても非常に特別な大会ですし、3勝目を目指したいです」

2019年の日本シリーズJTカップ以来、約3年ぶりの優勝と大会3勝目を狙う。

新時代のヒーローには誰が…?

今年は、石川や2018、2020年王者の星野陸也(26)らに加え、現在賞金ランク2位の桂川有人(23)や、今季イーグル数でトップタイを走る期待のルーキー久常涼(19)、マンデートーメントでトップタイ通過のルーキー平本世中(22)など、 多くの若手選手も出場するフジサンケイクラシック。

50回記念大会で、どんなヒーローが生まれるのだろうか?

50thフジサンケイクラシック
第3日 9月3日(土)午後1時35分
最終日  9月4日(日)午後1時30分
フジテレビ系列にて生中継

『S-PARK』旬なネタをどこよりも詳しく!
9月3日(土)24時35分から
9月4日(日)23時15分から
フジテレビ系列で放送