俳優の窪田正孝さんが、第一頸椎の剥離骨折のため今週末から始まる出演舞台の降板を所属事務所が発表した。

頸椎の剥離骨折とはどのようなケガなのか。
済生会川口総合病院の整形外科 沼野 藤希部長に聞いた。
 

靭帯が骨ごと剥がれる

ーー第一頸椎の剥離骨折とはどういった状態?

第一頸椎は頭蓋骨のすぐ下にある骨です。

骨と骨をつないでいる靭帯が、骨ごと剥がれてしまう状態で、捻挫のような痛みが生じます。

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靭帯が耐えうる以上の力が加わった場合、靭帯が切れるか、靭帯が付着している骨の部分が骨ごと外れて起きます。

つまり、第一頸椎の剥離骨折は、第一頸椎についている靱帯が骨ごと剥がれ、骨折した状態です。

靭帯は関節を支える役目を担っているので、その部分は不安定になります。

ーーどういった時に起きる?

足首の捻挫と同じで、何か捻るような力が加わった時に起きます。

通常の生活では起こりませんが、何かしら首に無理な力をかけるようなことが一気に起きた場合、剥離骨折する可能性があります。

原因としては、叩かれたり、ぶつけたり、捻ったりといった衝撃が考えられます。

発症から3~4週間で完治

窪田さんは以前から首に違和感があり、舞台出演を前に医師の診断を受けたところ、第一頸椎の剥離骨折が判明した。

入院や手術は行わず、大事をとっての降板で、早ければ9月初旬には復帰を目指すとしているが、完治までの期間はどれほどかかるのだろうか。

(イメージ)
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ーー治るまでの期間は?

一般的には発症から3~4週間みれば大丈夫だと思います。

重症の場合は手術となりますが、保存的治療だと、首の骨の安定を守るためにカラーを巻いて外から固定します。

9月初旬復帰はかなり早い印象なので、重大な靭帯の損傷ではなく、軽症なのかなと思います。

レントゲン画像などを見て判断されているのであればその方針を尊重しますが、あまり無理はしない方が良いと思います。

ーー違和感を放置して治療を受けないとどうなる?

軽症の場合はそのまま放っておいても治る場合がありますが、治らない場合は首の痛みが続き悪化することもあります。

首に痛みや違和感を感じた場合は、安静にして、早めに病院にかかった方が良いです。

「調子も良くなり、安静に休養」

窪田さんは21日、自身のインスタグラムでコメントを発表し、現在の症状や仕事への思いを綴っている。

『窪田正孝公式インスタグラムより』

第一頚椎を剥離骨折してしまった為に舞台「いつぞやは」を降板することになりました。
楽しみにして方々には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
本当にごめんなさい。

今現在は順調に回復していて かなり調子も良くなり 安静に休養させてもらっています。

稽古場で毎日芝居やセリフ、体現に苦悩したけど それでも今はあの時間が愛おしくてなりません。

30代も半分を過ぎ 芝居をもっと追求したくて もっと演劇に触れたくて 今年をまた前進の年にしたかったのですが。

本当に悔しくて残念だけど 今は芝居から離れた この時間もまた新たな前進だと信じて 次の作品に備えたいと思います。

舞台「いつぞやは」 本当に素敵な舞台です。
最高なのでぜひ観てほしい。
自分も絶対観に行きます。

大千穐楽まで無事の完走を心からお祈りしています。
(原文ママ)