長野・中野市の4人殺害事件。亡くなった一人が長野県警音楽隊に所属していた警察官の池内卓夫さんです。9日、音楽隊の同僚が報道陣の取材に応え「体が半分なくなったような気持ち」と悲痛な思いを語りました。
涙があふれて今も止まらない
県警音楽隊。演奏しているのは「川の流れのように」です。

殉職した池内卓夫さん(当時61)が好きだったという曲です。

県警音楽隊・龍堀瑞恵巡査長:
涙があふれて今も止まりません。自分の体の半分を失ったような感じでいます
寡黙に練習 周りをリードする存在
池内さんは女性2人が襲われたあと警察官の玉井さんと現場に駆け付けた際、殺害されました。

池内さんは1983年から県警の音楽隊に所属。 主にドラムを担当し県民に演奏を披露してきました。寡黙に練習に取り組み、周りをリードする存在だったということです。
池内部長の思いを引き継ぐ
事件から2カ月余り、8月9日、県警音楽隊は報道陣の取材に応えました。池内さんに代わりドラムを担当する龍堀瑞恵巡査長ら3人が今の思いを語りました。
県警音楽隊・龍堀瑞恵巡査長:
本当に大切な人を失ってしまったと身にしみて感じています。音楽隊の演奏を聴いてくれるお客さんがいる限り、良い演奏をという池内部長の思いを引き継いで演奏活動を続けていく覚悟です

県警音楽隊・武井祥広巡査部長:
悪役を買ってでも厳しく指導して、優しい方だと分かってからは父親のような存在で、(事件が起きて)現実を受け止めることができない日が続きました
県警音楽隊・酒井翔太巡査長:
仕事にも音楽にも厳しい方でした。厳しい中にも優しさがあり、音楽隊には必要不可な存在でした

隊員たちの心には大きな穴が開いたままですが、音楽隊の活動は続きます。 隊員たちは池内さんの思いを受け継いでいきたいと話していました。

(長野放送)