福井県の海域で、石川県珠洲市の沖合で「すずちゃん」として親しまれていたイルカと同じ個体とみられるイルカの死骸が発見された。すずちゃんの名付け親は「さみしい…さみしいですよ」とぽつりとつぶやいた。

5年前に「すずちゃん」として親しまれたイルカ

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福井県によりますと、13日正午頃、敦賀半島北部の海域で操業中の漁業者から「イルカの死骸が漂流している」との連絡が入った。

福井沖でかみつきイルカと呼ばれるように
福井沖でかみつきイルカと呼ばれるように

福井県水産試験場が調査したところ、背びれに県が今年6月に取り付けた発信機があったことから、福井県で「かみつきイルカ」として問題となっていた個体と特定されたと言う。

このイルカは、背びれの特徴などから、5年前に石川県珠洲市の沖合に現れ、地元で「すずちゃん」と呼ばれ親しまれていたイルカと同じ個体と見られていた。

2020年に珠洲市沖に現れたイルカ…背びれの欠けたところが同じだった
2020年に珠洲市沖に現れたイルカ…背びれの欠けたところが同じだった

しかし、珠洲から離れて福井県に移動してからは、海水浴客などに噛みつく行動を見せるようになり、過去3年間で53人がけがをする事態となっていた。

「すずちゃん」の名付け親の悲しみ

珠洲市
珠洲市

「すずちゃん」の名付け親でもある珠洲市の出村さん。

名付け親の出村さん
名付け親の出村さん

すずちゃんの死を受けて「このきれいな珠洲の海に戻ってきてほしかったですね。さみしいですよ、さみしいですよ…残念です」と悲しみを語ってくれた。

さらに出村さんは「全部が全部、イルカを悪者にすることはできないと思うんですよ。人間の方も考えないといけないことがあるんじゃないかと思いました。問題提起にはなったと思います。今後、イルカなどの野生動物と(人間が)どう接していくかという」と、人間と野生動物との関わり方について考えを述べていた。

イルカ柄のシャツですずちゃんの死を悼む
イルカ柄のシャツですずちゃんの死を悼む

空にトキ、海にイルカがいる珠洲を思い描いていた出村さんにとって、悲しい結末となってしまった。

(石川テレビ)

石川テレビ
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