2023-2024シーズンでリーグ発足から6シーズン目を迎えた卓球の国内最高峰・Tリーグ。今季から男子リーグに参戦した2チームのうち、静岡市を本拠地とするのが森薗政崇 選手兼監督率いる静岡ジェードだ。

Tリーグ男子に2チームが新規参戦

ホームで歴史的一歩を踏み出した静岡ジェード
ホームで歴史的一歩を踏み出した静岡ジェード
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7月29日に開幕したTリーグ。男女各6チームが2024年3月までにそれぞれ20試合を戦った後、上位3チームがプレーオフに進出し優勝を決める。2023-2024シーズンから男子リーグへ新たに参戦したのが石川県金沢市を本拠地とする「金沢ポート」、そして静岡県静岡市の中山間地を本拠地とする「静岡ジェード」の2チームだ。リーグ発足6シーズン目にして男子としては初の新規参入となる。

カワセミをデザインしたチームロゴ
カワセミをデザインしたチームロゴ

チーム名の「ジェード」は静岡市の鳥“カワセミ”に由来する。美しい外見から“飛ぶ宝石”“渓流の宝石”などとも称されるカワセミは漢字で表記すると“翡翠”。古くから人気が高い宝石である“翡翠”の英訳は「jade」で、翡翠の石言葉から選手やスタッフ、サポーターの「繁栄・長寿・幸福・安定」という願いが込められていて、チームロゴにも“カワセミ”がデザインされている。

目標は「1年目から優勝争い」

新規参入を報告する静岡オクシズUU・河村代表(2022年12月)
新規参入を報告する静岡オクシズUU・河村代表(2022年12月)

チームを運営する「静岡オクシズUU」の河村水稀 代表は、2022年12月に新規参入が認められた際の会見で「1年目から優勝争いに絡んでいけるような強いチームを作りたい」と声高らかに宣言するとともに「ジュニアの育成や健康寿命の延伸に貢献し、ゆくゆくはオリンピック選手を輩出したい」と意気込んだ。

森薗 選手兼監督の入団会見(2023年4月)
森薗 選手兼監督の入団会見(2023年4月)

その言葉を証明するかのように2023年4月、ビッグネームの加入が発表された。全日本卓球選手権・男子ダブルスで3回の優勝経験を持つ森薗政崇だ。森薗はTリーグ史上初めて選手兼監督に就任し、他にも2022年世界卓球選手権の日本代表・横谷晟、2023年アジア競技大会の日本代表・松下大星と国内屈指の実力者も静岡ジェードに所属することになった。森薗 選手兼監督は会見で「ゼロからイチを作り上げることや静岡へ貢献することにやりがいを感じた」と加入の経緯を明かし「選手としてはリーグ優勝を目指し、選手を預かる監督としては選手が伸び伸びとプレーできるような環境作りに尽力したい」と抱負を述べた。

5月には2023年全日本卓球選手権・男子ダブルス3位の龍崎東寅、さらに6月には42歳の大ベテランで、過去には全日本卓球選手権・男子シングルスを連覇し日本代表のエースに君臨した“レジェンド”とも言うべき小西海偉の入団も明らかになるなど“旋風”を巻き起こすための布陣が着々と整えられた。

開幕連敗 次節は再び王者・琉球と対戦

静岡市中央体育館を埋め尽くした市民やファン
静岡市中央体育館を埋め尽くした市民やファン

そして、静岡ジェードにとって記念すべきリーグ初戦となった8月5日。会場となった静岡市中央体育館には1000人近い市民やファンが駆けつけ、その期待の大きさを物語る。相手は前年度のチャンピオンで日本代表のエース・張本智和を擁する琉球アスティーダだ。

試合はいきなり静岡ジェードが魅せる。第1マッチのダブルスで森薗・龍崎ペアが逆転勝利を収めると、会場のボルテージは最高潮に達する。

この日27歳の誕生日を迎えた松下が張本に0-3で敗れると、小西、森薗も連敗を喫し、王者・琉球アスティーダに貫録を見せつけられる結果となった。

開幕戦を振り返る森薗 選手兼監督
開幕戦を振り返る森薗 選手兼監督


それでも、森薗は試合後「開幕戦に向けて準備してきたことがすべて出し切れた」と晴れ晴れとした表情を見せ「熱量のすごい応援をもらえたのでうれしかった」と口にした。

翌6日。静岡ジェードは金沢ポートと対戦。第1マッチ・第2マッチと連勝し初勝利に王手をかけたが、ここから3連敗と逆転負け。同じ新規参入組を相手に苦杯を嘗めさせられた。

静岡ジェードの次節は11日。再び琉球アスティーダと相まみえる。高く険しい壁だが“カワセミたち”は羽ばたくことができるのか。ファンたちは静岡ジェードが歴史的初勝利を手にする瞬間を待っている。

(テレビ静岡)

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