6月21日、岸田首相が秋までに総点検すると表明したマイナンバーの問題。中でも注目されているのが2024年には事実上義務化される「マイナ保険証」だが、愛知でもトラブルが相次いでいることがわかった。

トラブルの報告相次ぐ「マイナ保険証」…誤った薬が処方される恐れも

岸田首相(21日):
来年(2024年)秋の保険証廃止への国民の不安を重く受け止めており、現行の保険証の全面的な廃止は、国民の不安を払拭するための措置が完了することを大前提として取り組みます

マイナンバーを巡る相次ぐトラブルを受けて、関連する全てのデータやシステムを総点検する考えを示した岸田首相。中でも2024年秋に紙の保険証を廃止し、事実上義務化される「マイナ保険証」を巡っては、全国の医療機関で多くのトラブルが報告されている。

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22日午後、愛知県内の開業医・歯科医らでつくる団体が、会員への調査結果を発表した。

マイナ保険証での資格確認で「トラブルを経験したことがある」と回答したのは、システムを導入済みの医療機関の7割近くに上った。

その中で、健康保険が「無効・該当資格なし」と表示されるなど、情報が正しく反映されないトラブルが最も多く403件。

健康保険の資格がないと表示されてしまうケースもある。紙の保険証も持っていればいいが、確認ができないため、いったん医療費の10割の支払いを求めたという例が、愛知県内で65件報告されている。

危険といわれているのが、誤って他人の情報に紐づけられていたトラブルで、16件あったという。

個人情報が漏れたり、誤った薬が処方されて命に関わる事態になったりする恐れも指摘されている。

愛知県保険医協会の荻野理事長:
一番危険だなと思いますのは16例ではございますけど、他人の情報に紐づけられていたというのは、これは処置・処方等に大変影響しますので危険

FNNが先週末行った世論調査では、2024年秋の紙の保険証廃止に「反対」が52%。政府が進めるマイナンバーカードの利用拡大に「不安を感じる」と答えた人は7割を超えた。

愛知県保険医協会は「今後、トラブルはもっと増えると予想される。患者が医療を受けやすいように、紙の保険証をそのまま残すよう訴えていきたい」としている。

(東海テレビ)

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