視覚障害者柔道(弱視)の廣瀬悠さん、40歳。同じく視覚障害者柔道(弱視)で妻の・順子さん、29歳(ともにSMBC日興証券)。

全盲や弱視の選手が組み合った状態から試合を始める視覚障害者柔道の日本代表として活躍している2人は、2015年に結婚。

プロポーズは順子さんからしたといい、「一緒にいてすごく楽しいところにひかれました」と語る。しかし、悠さんは当初、「障がい者同士で結婚するのは難しいかなというのが率直な気持ちでした。でも、(順子さんの)前向きな思いが伝わってきて、障がい者同士でも順子さんとなら楽しく出来るかなと思いました」と明かした。

こうした悠さんの思いを聞いた順子さんが「(プロポーズ)うれしかったでしょ?」と尋ねると、悠さんは「うれしかったですよ」と笑顔を見せた。

自粛中は2人で自宅トレーニング

2016年には夫婦そろってリオパラリンピックに出場し、順子さんは銅メダルを獲得した。

2人は東京パラリンピックを目指していたが、新型コロナウイルスの影響で普段練習していた大学が閉鎖されてしまう。

自粛中は2人で自宅トレーニングをしていたと言い、順子さんは「2人で柔道着を着て打ち込みをしたり、単に重いものを上げるトレーニングではなく、瞬発力を鍛える筋トレを」と話す。

一方、来年の東京パラリンピックで42歳になっている悠さんは、年齢を意識したトレーニングを。

悠さんは「1年後にもう1回同じ状態でベストパフォーマンスをすることは年齢的にも難しい。筋力トレーニングを多めに行って、自分の力をキープすることが1番。2人だから練習できることも他の人よりはあるので、順子さんのおかげで練習が出来ています」と明かした。

「最後におっさんの強さを見せたい」

夫婦そろっての東京パラリンピック出場と金メダルを目指している悠さんと順子さん。

順子さんはリオパラリンピックで銅メダルを獲得したときのことを「試合が終わった直後は、メダルが取れた喜びより、プレッシャーから解放されたうれしさが大きかった。日本に帰ってきてメダルを見た人が喜ぶ姿を見て、頑張ってメダルを取ってよかったなと思いました」と振り返った。

しかし、悠さんはリオパラリンピックで初戦敗退。当時のことを悠さんは「メダリストとメダリストじゃない人の格差、メダルを取らないとここまで格差があるんだなと痛感した。東京パラリンピックでは必ず順子さんより上のメダルを取って夫婦の格差を埋めたい」と意気込んだ。

悔しい思いを抱えながらも奮起する悠さんは、現役の選手でありながら、順子さんのコーチも兼任している。

だからこそ、悠さんは「順子さんに金メダルを取らせることが一番の目的で、自分自身はずっと防御が主体の柔道をやってきた。攻撃型を取り入れて成績が上がっているので、メダルが取れるように変えていきたい。東京パラリンピックでは、最後におっさんの強さを見せて引退したい気持ちが強いです」と明かす。

一方、もともと攻撃型の柔道だった順子さんは、2大会連続のメダルに向け、さらなる進化を目指している。

順子さんは「悠さんに防御を教えてもらって、防御はできるようになったんですけど、怖くて技に入れなくなってきているので、そこをしっかり修正して東京パラリンピックで良い結果が出せたらいいなと思います」と話した。

新型コロナウイルスの影響で練習場所が奪われた中で深まった“夫婦の絆”で、2人は東京パラリンピックでのダブル表彰台を目指している。

(「パラ★DO!」毎週土曜、15時25分~※関東ローカル)
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