新型コロナの5類移行に伴い、飲食店では仕切り版やビニールシートの撤去に追われた。3年以上のコロナ禍の節目節目で取材に訪れ、今回長いトンネルを抜けた飲食店の経営者たちも、久しぶりに喜びの表情を見せた。

コロナ禍のトンネルを抜けたが、仕入価格は高騰

8日、広島市内の繁華街の居酒屋の店内では…
加藤雅也アナウンサー:
長かったコロナ禍、こちらの居酒屋ではビニールシートを取り外す作業が行われています

加藤雅也アナウンサー
加藤雅也アナウンサー
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コロナ禍真っただ中の2020年12月を振り返ると…
すし居酒屋海童 吉岡海童 店主:
最後にもう一回意地見せておこうと…

コロナ禍1年目、忘年会シーズンに大打撃を受けながらも、一人の経営者として必死に食らいついた吉岡さんは、テイクアウトなどの新たなジャンルにも挑戦してきた。

テイクアウトの弁当にも挑戦
テイクアウトの弁当にも挑戦

コロナ禍2年目の2021年7月には、こんなことも漏らしていた。
吉岡さん:
お客さんが離れていく夢とか、店をたたむ夢とかを結構みましたね

この年2021年の年末には、店内各所に感染対策を施し、わずかに客の笑い声が聞こえるように…。

吉岡さん:
いま仮予約という感じでというのが僕の店では多い

あれから1年5カ月が経った、コロナ5類移行の5月8日。
加藤雅也アナウンサー:
Q:店内のビニールをつけた時はこれだけ長くという想像は?
吉岡さん:
なかったです。1年くらいだと思っていました

Q:GWもあり客足は?
この地域、流川は広島県外から来られる方と外国からの方が8割くらいだったのではないか

ただ、コロナ禍は明けても、魚の仕入れ値がこの1年で1.3倍に上がり、落ち着かない日々が続くという。

従業員に休んでもらい、小さなスペースでやりくりしたお好み焼き店

ここ数か月、外国人観光客の来店が急増している広島市のお好み焼き店。

この店も思い返せば3年前の2020年4月は…
お好み焼き 鉄板焼き もみじ亭 藤原良太 店長:
緊急事態宣言が出たことで、今ではほとんどお客さんがいない状況。正直自分もどうしたらいいかわからない状況でして…

2020年4月
2020年4月

この時は、社員やアルバイト2人を休業させる苦渋の決断を下した直後だった。

コロナ禍1年目の2020年9月に、飲食店を支援する「GoToイート」事業が始まろうとする中、藤原さんは新たな壁に直面。
藤原さん:
うちの店は元々狭い店なので席と席の間隔が1m開けられない

2020年9月
2020年9月

その後、2021年3月には、店の随所にパーティションを設置。店内の通気性を高めるためレイアウトも大きく変えた。

そして、5月8日。

お客さんがステッカーを貼ったパーティションを外す
お客さんがステッカーを貼ったパーティションを外す

加藤雅也アナウンサー:
Q:ようやくだが、パーティションはどうする?
藤原さん:
コロナ禍で苦しい状況を助けてくれた人たちからの応援があったという意味合いも込めて、壁などにかけて飾っていこうかなと

工夫の連続で生き延びた3年が過ぎ、新たなスタートとなった。
藤原さん:
本当につらい日々だったが、今考えると、きつかったけど、あっという間だったかなというのはありますね

コロナ禍では「新しい日常」という言葉が生まれたが、感染対策には気を使いながら「さらに新しい日常」が始まった。

(テレビ新広島)

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