コロナ禍に突入して3年を過ぎたが、飲食業にとっては「暗く、長いトンネルの出口が見えてきた」という声も聞かれるようになった。店を休まず1人で頑張ってきた広島のお好み焼き店にもにぎわいが戻っている。
コロナ禍の初めで従業員に休んでもらい、赤字覚悟で1人で切り盛り
”臨時休業”の張り紙が溢れ、街が閑散とした3年前の2020年。
この記事の画像(19枚)広島市中区のお好み焼き店「もみじ亭」では社員やアルバイトを休業させる苦渋の決断を下し、貯金を切り崩しながら店長1人で店を切り盛りしていた。
もみじ亭・藤原良太店長:
正直開けてても赤字なんですけどね。閉めてたらもっと赤字だし
このまま商売が続けられるのか不安な毎日を過ごしてきた藤原店長だったが、同じ年の2020年9月にはGoToトラベルの効果でお客が戻り、広島県外からの人の姿もあったが、そこには別の悩みが生まれていた。
藤原店長:
うちの店は元々かなり狭い店なので、席も間隔が1mあけられない
コロナ禍が始まって1年を超えた2021年には、店を続けるためにメニューの内容を変えていた。
藤原店長:
日持ちするものや、作り置きのできるメニューを考えて新しく提供している
食材のロスを減らすためにメニューを見直し、うどん麺を使わないなど工夫を凝らしていた。
休んでいた従業員も戻り、インバウンド客で今後の活況を期待
激動のコロナ禍、暗く長いトンネルの出口が見え始めた先日、店を訪ねると…。
加藤雅也アナウンサー:
平日の夜にも関わらず大勢のお客さんでにぎわっていますね。そしてコロナ禍の最中にはなかなか見ることがなかったインバウンドのお客さんの姿が多いのがわかります
次々とお客さんが訪れ、これまで取材した中でも最もにぎわっている印象…。
イギリスから来た観光客:
(日本語)んん~オイシイ!(英語)初めて食べたけどとってもおいしい。ここに来た理由の1つがこれなんです
感染対策を意識して通気性が良い店内にリニューアルしたという。
常連客:
この店が続いていくのが一番いい
鉄板の前ではコロナ禍に入って休業を余儀なくされた社員がヘラを握り慌ただしく調理に励む。
藤原店長:
いままで1人でも暇だったのが、彼がいても毎日忙しくて大変
休業中、知り合いの店に頼りアルバイトもしながら生活をしていたという社員の男性は…
復帰した社員:
久しぶりすぎて緊張しましたね。しんどかったですね、みなさんしんどいのは一緒だと思いますけど…
店もほぼコロナ禍前の来店者数に戻り完全復活も見えてきたという。
藤原店長:
コロナで3年間事業がストップした状態だった。本来だと五輪でインバウンドのお客さんがたくさん来てくれていたのが、3年遅れてきてくれるといいなと思う
5月のG7サミットに向け、インバウンド客の増加が期待される広島は、コロナ禍の3年を乗り越え、春の訪れとともに活気づき始めている。
(テレビ新広島)