高齢化・人口減少が進んだ山形・西川町が仕掛けた新たな試み、「AI」を使った観光事業を紹介する。

有名な観光地もコロナで観光客減少

長い冬が明け、2023年も営業を始めた山形県の月山スキー場。夏まで滑ることができるスキー場は全国でも珍しく、国内有数の豪雪地・西川町の自慢。

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福井から来た人:
景色が好きで来たくなる。これを目標に今シーズン滑ってきた

兵庫から来た人:
はじめて来たので楽しみ。山の自然の地形を滑れる、自然を楽しめるというのはいい

町の大切な観光資源である「月山夏スキー」。しかし、スキー人口の減少に新型コロナが追い打ちをかけ、西川町を訪れる観光客は15年前から30万人ほど減少している。

西川町商工観光課・木島優太さん:
月山は西川町の目玉スポットだが、逆に月山夏スキーに依存した観光誘客からなかなか抜けきれないのが課題

「AIを活用したゲーム」をしながら観光 新たな取り組み

高齢化、そして人口減少。多くの人手をかけて一度に観光客を呼び込むイベントの実施も難しくなっている。そんな中、目を付けたのがAIを活用した「謎解きゲーム」。4月に始まった新たな仕掛けだ。

西川町・菅野大志町長:
謎解きを楽しんでいただいて、次は旅行で行こうとか、年2回来ると「関係人口」になる。観光客から関係人口にぜひなってほしい

AIを使った「謎解きゲーム」に自治体が取り組むのは東北では初めて。「月山調査隊」となった参加者は、古文書となるパンフレットに記された謎を解いていく。

このゲームは、道の駅西川と西川町役場にある、このパンフレットの中にあるQRコードをスマホで読み取り、LINEを登録するところから始まる。ゲームの登録は無料。午前9時から午後5時まで好きな時間に遊ぶことができ、制限時間もない。

チェックポイントで見つけたキーワードを送信すると、謎解きのヒントやおススメの観光スポットを紹介する動画が送られてくる。謎解きに苦戦した場合も、AIと対話することでアドバイスをもらえる。

西川町商工観光課・木島優太さん:
お客さま自身が都合のいい日を選んで参加してもらえるし、スタッフを集める労力・人員調整の手間・スタッフの安全管理といったところも不要

ゲームに登場する人物はオーディションで選ばれた町民たち。約30人がボランティアで出演している。

そして見事ゲームをクリアすると、道の駅で使える地ビールやソフトクリームの引換券、自慢の日帰り温泉の入浴券などがプレゼントされる。

ゲームを通して「町の良さ」を感じてもらいたい

西川町商工観光課・木島優太さん:
「AI謎解きゲーム」はあくまで西川町に来てもらう一つのきっかけなので、このゲームを通して「西川町って良いところ」と認識してもらって、リピーターにつながっていけばうれしい

西川町の魅力が詰まった「AI謎解きゲーム」。町を訪れ楽しんでみてはいかが?

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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