岐阜県出身でアーチェリーの斉藤史弥選手と、大橋朋花選手が「日本代表の切符」がかかる大会に出場したが、明暗が分かれた。

“友達”のような先生と共に挑んだ最後の戦い…

4月初め、東京で開かれた世界選手権などの切符を争う選考会。18歳の期待の新星、斉藤史弥選手の姿があった。

斎藤選手は3月に岐阜県の大垣西高校を卒業し、日本体育大学に進学。アーチェリーを始めてから高校生までの5年間、ずっと支えてくれた「友達」のような本間隼人先生と最後の戦いだ。

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世界選手権出場圏内の3位で、最終日を迎えた斉藤選手。

斉藤史弥選手:
めっちゃ寝られました。(Q勝つために必要なことは?)心、それだけです

本間隼人先生:
(Q今日は2人での最後の試合)そこはもう考えてないです。1つの試合としか考えてないです

最終日の3日目は上位8人によるトーナメント方式で、世界選手権やアジア大会への切符を争った。

絶対に負けられない初戦の準々決勝。試合は70m先の的に向かって矢を放ち、1セット3射の30点満点。

斉藤選手は幸先よく2セットを先取。

しかし、本間先生は…。

本間隼人先生:
あー、逃げ出してぇもう。ヤバいヤバいヤバい、(涙)止まんなくなってきた

負ければ2人で一緒にやれるのもここで終わり。斉藤選手も緊張している様子だったが、最後のセットを奪い勝利した。

斉藤史弥選手:
最終射はエグかったです。僕の中では10点決めて最高の形で終わろうと思ったんですけど、やっぱり緊張で手が震えて。また次も緊張の中で楽しみながら頑張りたいなと思います

準々決勝を勝ち進み、勝てば3位以内が決まる準決勝。緊張も和らぎ、勢いに乗ると、中盤には3本とも中心の10点、勝利を手繰り寄せた。

そしてラストショットを決めて準決勝も勝利し、日本代表の切符を手にした。

斉藤選手にはもう1つの目標がある。

河田悠希選手:
お疲れさま。大丈夫大丈夫。よー頑張った、よー頑張った。お前はよー頑張った。お前は(代表が)決まってんだから。俺の事は気にしないで大丈夫。先輩たちにしっかり付いていってね

決勝で敗れた斉藤選手だが、勝っていれば日本体育大学のOBで先輩の河田悠希選手と一緒に世界選手権に行くことができた。

河田悠希選手:
うれしいですよね。つい最近まで高校生で、まだあまり日体大というものを知らない子が、こういう風に思ってくれるというのはすごくありがたいことかなと

そしてこの日で、5年間一緒に戦ってきた本間先生とも最後だ。

本間隼人先生:
は~5年間長かった〜。オリンピックまで行ってほしいですね

斉藤史弥選手:
世界選手権で日本の枠を必ず取らなければ、パリ五輪につながらないので。パリ五輪の切符をちゃんと世界選手権で取っていきたいなと思います

女子では、前回あと一歩で東京オリンピックへの切符を逃した岐阜県出身・日本特殊陶業の大橋朋花選手が出場した。

しかし、初日の強風にうまく対応できず、16人中10位と出遅れ。2日目も遅れを取り戻すことができず、途中敗退となった。

大橋朋花選手:
すごく悔しい気持ちで正直いっぱいなんですけど、悔しさをバネに私は国内で絶対に勝つんだぞという強い気持ちで練習に挑もうと思います

(東海テレビ)

東海テレビ
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