2023年3月に発売された「知っていると仕事がはかどる」という、働く私たちにとって、ちょっと魅力的なタイトルのビジネス書。その著者は島根県の財政課長。32歳の「若き課長」が本に込めた思い、そして、「仕事がはかどる一工夫」について聞いてみた。
きっかけは「県職員用のウェブ掲示板」
TSKさんいん中央テレビ山下桃アナウンサーが、松江市内の書店を訪ねてみると、店内の「話題の本」のコーナー、目立つ場所にその本があった。島根県庁の現役課長が手がけたという、異例の一冊だ。
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タイトルは「知っていると仕事がはかどる若手公務員が失敗から学んだ一工夫」。3月2日に発売され、社会人1年目からの「若手」ビジネスパーソンを主なターゲットに、仕事での心得がまとめられている。
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この著者の職場、島根県庁を訪ねると、デスクには、県立の水族館「アクアス」の人気者、シロイルカのぬいぐるみが堂々と置かれている。その主が、島根県の芳賀健人財政課長。「疲れたときにいやされますね~(笑)」と、シロイルカに表情を緩める。
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芳賀課長は32歳。2019年、総務省から島根県に出向してきた。ビジネス書を出版するきっかけになったのは、県職員用のウェブ掲示板で公開している連載記事だ。県庁内で働く中で、同世代の若手職員が抱える仕事上の悩みを解消できないかと、2年前に掲載を始めた。
島根県・芳賀健人財政課長:
自分自身も若手世代であるので。それこそ3、4年前までは、管理職ではなくて、若手職員としてやっていた
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月2回の連載だが、反響は徐々に大きくなり、公務員関連の書籍を手掛ける東京の出版社からの誘いがあり、本にまとめることにしたという。
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島根県・芳賀健人財政課長:
島根県庁の方々とのキャッチボールの集大成ですかね
「仕事の参考書」想定上回る人気 増刷も決定
約170ページにわたって、若手へのアドバイスがつづられた「仕事がはかどる一工夫」の一部を紹介する。
(1)抱えていることは見える化しよう
果てしない業務に対応していくコツについて、芳賀課長のアドバイスは…。
島根県・芳賀健人財政課長:
いっぱい仕事が降ってきて、何からやればいいかわからないということがある。そのときには、例えば、1枚の紙に箇条書きで一覧化、「見える化」してあげる。ぼやっと、忙しいなと思っていたものが、「これをやればいい」と仕事の全体像がつかめる
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(2)いつもと違う自分に気づく
また、日常的なメンタルケアも大切だと指摘する。
島根県・芳賀健人財政課長:
忙しいと「心の健康」が脅かされがち。私の場合は、口内炎ができると、それが自分のサインだったりする。そういうときには意識的に休むようにする。そのために、「いつもと違う自分」に気づくことが大事
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若手職員たちのリアルな悩みに向き合う中で、生まれた「仕事の参考書」。大手ネット書店でも売り切れになるなど想定を上回る人気で、増刷も決まったという。
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島根県・芳賀健人財政課長:
若手職員だけでなくて、管理職など上の世代からも、感想をいただくことがある。若手目線で作ってきた本でもありますので、上の世代には、若手職員が何で悩んでいるのか気づいてもらって、どういう指導をしていくのか考えるきっかけにしてもらえたらと思っています
(TSKさんいん中央テレビ)