新型の国産主力ロケット「H3」初号機の打ち上げが7日午前に行われた。2月には直前で中止となり、今度こそはと期待されたが、失敗に終わった。原因は何なのか?

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今度は打ち上がった…しかし

日本の新たな主力ロケット「H3」初号機。種子島宇宙センター近くの公園には、打ち上げを一目見ようと、大勢の人が集まった。今度こそ… みんなの思いを乗せて、ついにその時を迎えた。

JAXAのアナウンスの声:
メインエンジンスタート

丸山純平記者リポート:
開発期間9年分の思いを乗せて、今度こそ宇宙へと進んでいきます

打ち上げを見守っていた人たちからは歓声が。補助エンジンなどを切り離し“成功”したかと思ったが、しかし…。

JAXAのアナウンスの声:
ロケットはミッションを達成する見込みがないとの判断から、“指令破壊信号”を送信しました

見学に来た人:
あれ?ダメだったんですか?飛ぶだけで感動したんですけどね、そうですか…

JAXAによると、2段エンジンの着火が確認できず、打ち上げから約10分後、地上からロケットを破壊する“指令破壊信号”が送られ、打ち上げは失敗に終わった。

H3ロケットは、JAXAと三菱重工業が、9年の歳月をかけ共同で開発した新型の国産主力ロケット。地球観測衛星「だいち3号」を搭載し、災害時の状況把握に貢献することなどが期待されている。

一丸となって発射を見守った「バネ」製造企業

坂元龍斗フィールドキャスター:
ロケットに使われる“バネ”を作っている会社に来ています。社員の皆さんが中継を見守っています

兵庫県豊岡市に工場をもつ「東海バネ工業」。H3ロケットのメインエンジンにバネが使われているほか、発射から5分後に機体を分離させる際、この企業が作った“バネの押す力”だけでロケットを切り離す。

そのため7日には、豊岡の工場と大阪の本社で、“会社一丸”となって打ち上げを見守った。

バネを製造した東海バネ工業 豊岡工場の人:
緊張ですね。自分が作ったバネなので、ちゃんと飛んでくれるか、不安でしょうがない

東海バネ工業の皆さん:
GoGo『H3』
8、7、6、5、4、3、2、1

JAXAのアナウンスの声:
第一弾、第二弾、分離

東海バネ工業の皆さん:
オーッ!よっしゃ

しかし、喜びも束の間・・・

JAXAのアナウンスの声:
現在、2段の点火が確認されておりません

東海バネ工業 取締役:
いや~~

“成功”は次回へ持ち越しとなりました。

「またみんなで力を合わせて、“バネ”としてお役に立てるよう頑張りたい」

東海バネ工業 本社の人:
残念でした。きょうは気合いを入れて“H3ロケット弁当”作ってきたんですけど…次回も一緒に頑張って

東海バネ工業 豊岡工場の人:
みんなの思いは熱いと思います

東海バネ工業 夏目直一社長:
うまくいくまで、またみんなで力を合わせて。私たちも全力を尽くして、小さな力ですけど、“バネ”としてお役に立てるように頑張りたいと思います

JAXA 悔しさにじませた会見 再び打ち上げ目指す

“打ち上げ失敗”から約3時間後、JAXAが会見し、悔しさをにじませた。

JAXA H3プロジェクトマネージャ 岡田匡史さん:
地元の方々をはじめとして、多くの方々に見守っていただいた中で、このような結果になってしまいまして、申し訳なく思っています

再び打ち上げを目指し、今後は対策本部を設置して、原因を究明するということだ。

(関西テレビ放送「報道ランナー」2023年3月7日放送)

関西テレビ
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