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ロシア・モスクワのショッピングセンターで、大規模な乱闘が発生しました。

若者たちが殴る蹴るの激しい衝突
若者たちが殴る蹴るの激しい衝突

乱闘の様子を撮影した映像からは、若者たちが殴る蹴るの激しい衝突を繰り返しているのがわかります。

周囲には多くの人の姿があり、けんかを止めに入る人も。

映像をよく見ると、黒い服を着た男性の背中には、大きく“クモ”が描かれています。

現地メディアによると、乱闘を起こした若者たちは、日本の人気マンガ『HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)』のファンが集うオンラインコミュニティー「リョダン」のメンバー。

漫画に登場する盗賊集団「幻影旅団」の姿を模倣して、各地で暴動を起こしているといいます。

2月19日のモスクワ市内のショッピングセンターで、敵対するグループと椅子の取り合いで衝突したのを皮切りに、ウクライナ侵攻から1年にあたる2月24日・翌25日と、モスクワ市内数カ所のショッピングセンターでも乱闘を起こし、警察に約350人が拘束されたといいます。

現地メディアによると、この若者のグループは“愛国主義者”などを敵とみなして、公共の場で乱闘騒動を引き起こしているといいます。

なぜ日本の漫画を模倣?ファンからは怒りの声も

ロシア情勢に詳しい筑波大学の中村逸郎名誉教授は、「自分たちの将来に対する閉塞感、不満というものが、最大限に高まってきている」と、ウクライナ侵攻に対する不満が原因となっている可能性を指摘します。

漫画のキャラクターや名称を模倣していることに、ファンからは怒りの声が上がっています。
なぜ、彼らは日本の漫画を模倣しているのでしょうか?

筑波大学 中村逸郎 名誉教授:
(ロシアは)欧米とか、日本の文化に接する機会が少なくなって、そういう製品が手に入らなくなってきている。言論統制というものが非常に厳しくなってきて、画一的な文化・政治思想・愛国主義っていうものを押し付けられているわけですね。
それに対して、“アニメ”という外国のいわゆる武器を使って、この今の体制に対する反抗を精神を発揮してるわけなんです。

(めざまし8 3月1日放送)