異例の事態が起きている。御代田町の小園拓志町長は再選を果たしたその夜、祝勝会で突然、土下座、その後、心身の不調で入院した。療養期間は1カ月になる見通しで、副町長が職務を代行することになった。何があったのか、後援会側や対立候補の陣営などを取材した。

再選も突然「土下座」…そのまま入院

2月21日の当選証書付与式。受け取ったのは再選を果たした小園町長ではなく代理の父親だった。

小園拓志町長の代理・父・明憲さん:
(選挙に)勝たなきゃいけないわけですから、精神的にも肉体的にも疲れたんでしょうね

小園拓志町長の代理・父・明憲さん
小園拓志町長の代理・父・明憲さん
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一騎打ちとなった19日投開票の選挙で再選を果たした小園町長。 しかし、祝勝会の最中、突然、土下座し、「町長の資格は全くない」などと発言。会は打ち切られ、町長はそのまま入院した。

町によると21日、病院から「心身の不調で1カ月の療養が必要」との診断書が届いたという。

後援会「ビラやネット上の批判で心労重なる」

 後援会関係者は選挙戦で配られたビラやネット上の批判で「心労が重なったのでは」と話す。

御代田町・小園拓志町長(2022年)
御代田町・小園拓志町長(2022年)

後援会・篠原忠雄副会長:
(批判などに)向き合った時に全部、ため込んでしまったのだと思う

そのチラシには 「職員の退職・病気療養の原因は町長のパワハラ」などと記されている。

チラシ
チラシ

対立候補の陣営「チラシの内容は事実」

配ったのは対立候補だった市村千恵子さんの陣営。内容は事実で、町長の後援会側が主張するような「誹謗中傷ではない」としている。

市村千恵子さん:
(町長に)「それは事実ですよね」と6月議会で聞いたら「ないとは言えない」と本人が認めたこと。疲弊させられている職員を見てきたので、住民の皆さんにも知ってもらいたいなと。相手を攻撃とか誹謗というのは違うと思う

対立候補だった市村千恵子さん
対立候補だった市村千恵子さん

町の職員はおよそ150人。小園町長の就任から昨年度までの3年余りの中途退職者は16人、療養休暇を取った人は延べ26人にのぼっている。

町の担当者は「プライバシーの問題もあり、個々の説明はしない」としている。

御代田町役場
御代田町役場

異例の事態に町民は…

異例の事態に町民からは、「入院するとは思わなかった、早く復帰してほしい」「町長はコロナ禍で力を入れてもらった、今回も期待したい」などの声が聞こえてきた。

当面、副町長が職務代理者に 

町は当面、内堀豊彦副町長を職務代理者として対応する方針。

御代田町・内堀豊彦副町長
御代田町・内堀豊彦副町長

御代田町・内堀豊彦副町長:
私の方は町長がいない間、行政をしっかりと進めていきたい

(長野放送)