岡山・備前市は、公立の小中学校で実施している給食費無料化の対象を2023年度から全国で初めてマイナンバーカードの取得者に限定する方針を示した。

デジタル化を進める方針から決断

記者会見で吉村武司市長は「元々給食費は保護者負担であり、(国が進める)マイナポイントの付与と変わりはない。政策は変わっていくもので、2023年度はデジタル化を進める方針から決断した」と話した。

備前市・吉村武司市長
備前市・吉村武司市長
この記事の画像(5枚)

備前市・吉村武司市長:
決断に至った理由は、本市のデジタル化とキャッシュレス化を進めたいということが一番。今後のデジタル社会の構築に向けた施策展開にはマイナンバーカードが必須であり、より多くの市民の皆さんに取得していただくことが、相互の利益につながるという考えから。また財政状況の改善も理由の一つ

吉村市長はこう話し、方針は国のデジタル田園都市構想に呼応したもので、強引な手法とは思っていないとの認識を示した。

子育て世代の負担は

任意であるはずのマイナンバーカード取得で、結果的に給食費が2023年度以降かかってしまう、子育て世代の負担になってしまうという声が上がっている。

備前市・吉村武司市長:
これからはキャッシュレス、デジタル化を避けて通れない。全国で初めてやることで、いろんな考え方が出てくると思う。マイナンバーカード取得でマイナポイントがもらえて、おかしいという声は聞いたことがない。同じようにインセンティブ(報酬、動機付け)としてもらえるわけで。原則給食代は保護者負担。そこをよく理解してもらわないと

新型コロナで家計が厳しい状況で、現在無料の給食費を有償に戻す判断についても言及した。

備前市・吉村武司市長:
私の認識のある限り、瀬戸内市も岡山市も、赤磐市も和気町も皆さん、保護者の方は給食費を払っておられる。令和3年は令和3年、令和4年は令和4年。令和5年はよりデジタル化をした市政展開をしたいということ

「カード取得は強制していない」

吉村市長は「マイナンバーカード取得そのものは強制していない」としている。

備前市のマイナンバーカードの交付率は72.9%で、岡山県内の市町村では最も高くなっている。無償化を巡っては、市内の住民グループから、カードの取得は任意で、教育の機会均等に反するなどとして、撤回を求める要望書が市に提出されていた。

備前市は、2月定例議会に関連する条例案を提出することにしている。

(岡山放送)

岡山放送
岡山放送

岡山・香川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。