大阪市にある飲食店が小学校入学前の子ども=未就学児の入店を「お断り」にしたことをめぐり、SNSを中心に議論が巻き起こった。
飲食店はなぜ「お断り」を決めたのか、また、店側が客を選ぶ「○○お断り」の動きが広がる中、その“線引き”はどこまで許されるのかを探った。
「未就学児お断り」のきっかけ
安宅キャスター:
「イット!」は「未就学児お断り」で反響を呼んだ、出汁巻き卵が人気の飲食店を取材しました。

店によりますと、これまでも子どもが「店内のソファーで騒ぐ」「敷地内で走り回る」といった行為があり、再三注意してきたそうですが、子どもの「親の対応」に限界が来たそうです。

(店がSNSに投稿したメッセージ ※抜粋)
「誠に勝手ながら3月26日より未就学児のお子さまをお連れのお客さまはご入店をお断りさせて頂いております」

「暴れている騒いでいるお子様に何も言わない親御様、子供だから仕方ないと逆ギレする親御様や、大声で嫌味を言う親御様に、限界がきてしまいました」
安宅キャスター:
「しっかり見ている親へは心苦しい」と綴られており、店としても苦渋の決断だったといいます。
山﨑夕貴キャスター:
店側が問題だと思ったのは、子どもが暴れているのを親が注意をしないというところだったんですね
安宅キャスター:
店によりますと「未就学児お断り」を決めた、きっかけとなる出来事があったそうなんです。

片側4車線の道路に面した店舗で、当時、店の前では、複数の客が入店待ちをしていました。
そこで、3歳くらいの子どもが親元を離れて周囲を歩き回っていたところ、親が目を離している間に、子どもがつまずいて車道に飛び出しそうになる場面があったといいます。

なぜ親は気づかなかったのか。その時、親はスマホに夢中でした。
一連の騒ぎを見ていた店側が親に注意したものの、その後もスマホを見続け、子どもから目を離していたことから、「未就学児お断り」を決断したそうです。
三宅正治キャスター:
「○○お断り」というのは思い切ったというイメージを持つかもしれないけれど、旅館やホテルでもこういう所はありますし、「店側のエゴ」という考えより「お客さんにいかに快適に過ごしてもらおうか」という考えが根底にあるのではないかと思う。

安宅キャスター:
店がSNSに「未就学児お断り」を宣言すると、様々な反応があったといいます。
「素晴らしい判断」「お店を応援します」と店を支持する声が多く寄せられた一方、一部からは「マナー守る親が巻き添えになるのは心苦しい」といった否定的な意見もありました。
遠藤玲子キャスター:
残念なのは、それまで「未就学児OK」だったお店が、一部の親のために他の人もみんなだめになってしまうという…。
山﨑キャスター:
店としても苦渋の決断だったかもしれませんが、店が「この人はいい」「この人はだめ」と決めるのはアリなんですか?
「○○お断り」法律の視点からの線引き
安宅キャスター:
店側が○○を理由に、客の入店を制限するのは、法的にどこまで許されるのか、橋下綜合法律事務所の溝上宏司弁護士に聞きました。
「年齢」「服装」「スマホ」「性別」「国籍」「思想」を例に挙げますが、法的にリスクのある“線引き”はどこだと思いますか?

榎並大二郎キャスター:
ドレスコードの他、ラーメン店で「スマホはだめ」というのは見ますね。「スマホ」と「性別」の間かな、と。

安宅キャスター:
溝上弁護士によりますと、「正解」は「性別」までは大丈夫。例えば、「女性同士によるコミュニケーションの場なので男性禁止の飲食店」などはあります。
ただ、「国籍」や「思想」などについては合理的な理由がなく区別すると、場合によっては慰謝料を請求されるなどのリスクがあると指摘しています。
一方で、ルールとして合理性があれば良い。例えば、「外国語対応できるスタッフがいないため日本語を話せない方はお断りします」となると、「国籍」ではなく「言語」の話なので問題ありません。

三宅キャスター:
今は翻訳アプリなどで会話が成り立つこともあるから、それを理由に「お断り」というのは厳しいかもしれない。

安宅キャスター:
ケースバイケースだと思いますが、「○○お断り」の店は、実は経営戦略として成功しているところもあるそうです。
東京・渋谷にある「25歳未満お断り」の炭焼き料理店。渋谷という若者の街で、エリアの客層にはない“大人の雰囲気”ということで、「落ち着いていて良い」「丁寧な接客が良い」と好評だそうです。
「○○お断り」を導入した店を複数取材したところ、「好評」「売上げが伸びた」という店も複数ありました。

安宅キャスター:
きょうのどうなの?は「“○○お断り”が拡大 制限はどこまで大丈夫?」について見てきましたが“未就学児お断り”のお店は「トラブルの未然防止策」だったことが分かりました。一方、「理由のない区別はNG」。つまり、「合理的なルール」であれば法的なリスクはないことが分かりました。
山﨑キャスター:
私自身、子どもが生まれてから、行けるお店が少なくなりましたが、互いに気持ち良く過ごすための線引きなので、理解できる面もありますね。
榎並キャスター:
「線引き」と聞くと冷たく感じるかもしれないけれど、「ルール」ということで。
ただ、その「ルール」が厳しくならないためには何が必要なのか、まずは家庭内で「公共の場でどういう振る舞いをすれば良いのか」、子どもの前でしっかり伝えていくことは大事だと思います。
(「イット!」5月11日放送より)
