四大陸フィギュアスケート選手権(アメリカ・コロラドスプリングス)が2月10日から開幕する。

男子は島田高志郎、佐藤駿、三浦佳生、女子は渡辺倫果、吉田陽菜、千葉百音、ペアは三浦璃来・木原龍一組、アイスダンスは村元哉中・高橋大輔組、小松原美里・小松原尊組が出場する。

男子代表の一人、佐藤駿にとって初めての出場となる四大陸選手権。2023年の佐藤は、日本学生氷上選手権大会(インカレ)、特別国民体育大会冬季大会(国体)と立て続けに出場し、大技に挑戦してきた。

ケガからの復活となった今シーズン

練習では5種類の4回転を成功させたことのある“ジャンプの天才”佐藤駿。

史上4人目となるノービス4連覇を果たし、続くジュニア時代にもジュニアGPファイナル優勝など、華々しいスケート人生をたどってきた。

しかし2020年のシニアデビュー以降、ケガとの戦いが続いた。

2022年2月に左肩の手術を終え、復帰明けとなった今シーズンの佐藤はGPシリーズ2戦に出場。ともに表彰台にのぼり、GPファイナルでは4位と好調ぶりをアピールした。

2022年の全日本選手権
2022年の全日本選手権
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続く全日本選手権では万全なコンディションではない中、ショート5位からフリー3位で追い上げ、総合4位で終えた。

全日本後、佐藤は「ケガ明けのシーズンで4位に入れて良かった。この先につながる。強くなれたシーズンだった」と振り返り、前を向いた。

インカレで初練習の4回転ルッツ成功

2023年の初陣となったインカレでは、フリーで4回転ルッツを完璧に成功させる。

この4回転ルッツは日本で、羽生結弦さんと佐藤しか成功させていない大技だ。

インカレで4回転ルッツを着氷した佐藤駿
インカレで4回転ルッツを着氷した佐藤駿

出来栄え点(GOE)は驚異のプラス4.60。

そんな大技をこの日、本来は構成に入れる予定はなかったと話す佐藤。直前の6分間練習がルッツの初練習だったことも明かし、“天才ジャンパー”ぶりを見せつけた。

大技成功のあとも、大きなミスなく滑りきり、フリー今季世界4位相当のスコアでインカレ優勝を果たした。

インカレで優勝した佐藤駿
インカレで優勝した佐藤駿

佐藤は「全日本の悔しさもあったんですけど、自分を強くしてくれるような試合だったと思っている。今シーズンもまだ試合が残っているのでしっかりとここから、これ以上の演技ができるように頑張りたい」と意気込んだ。

課題はショート。ノーミスを目指す

国体にも出場した佐藤は、ショートで4回転ルッツから4回転フリップに変更。大胆な挑戦も3回転になってしまい失敗。

ルッツの調子が悪く、試合前にフリップ投入を決めたが「まだ難しい」と話した。ショートの冒頭の4回転を入れることはまだ悩んでいるという。

フリーでは4回転ルッツを投入し、見事に決めて見せた。

「ここでルッツをなくして、トゥループをやるのもいいと思うんですけど、それだと自分のためにもならないと感じた。ケガも怖いですけど、ルッツはやり続けないと自分のものにならないと感じているので今後も入れ続けられたら良いかな」

試合前、コーチや大学の先輩である大島光翔から「集中して!」とアドバイスを受けたことで「しっかりと集中できて緊張もほぐれた。みんなの応援のおかげでルッツを跳ぶことができた」と語る佐藤。

2022年の全日本選手権
2022年の全日本選手権

フリーでの勝負強さが際立つ今シーズン。だからこそ、四大陸ではショートをまとめたいと話す。

「僕の課題としてはショート。練習もすごく考えながらやっているんですけど、うまくいっていないので、四大陸こそはノーミスの演技ができるように頑張りたい」

達成できていないショートとフリーのノーミス。これができれば四大陸でも優勝が見えてくる。佐藤にとって初のビッグタイトル獲得となるか、注目だ。

四大陸フィギュアスケート選手権2023
フジテレビ(※関東地区ほか)にて3夜連続放送

■男女ショート
2月10日(金)深夜1時35分~3時35分
■ペアショート&リズムダンス&女子フリー
2月11日(土)深夜1時45分~3時45分
■ペアフリー&男子フリー
2月12日(日)深夜0時30分~2時30分
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/four-continents/index.html

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班