救急隊員による対応の不備で35歳の男性が死亡したとして、隊員2人が殺人罪で訴追された。そのあまりに乱雑な対応が、現場にいた警察官のボディーカメラの映像で明らかになった。
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12月18日（日）、アメリカ・イリノイ州スプリングフィールドで幻覚症状に苦しんでいる男性がいるとの通報があり、警察官が現場に駆けつけた。
通報した女性は「酒による幻覚症状」と警察に伝えたという。警察は、重度のアルコール離脱症候群、いわゆる禁断症状による幻覚症状とみて救急車を要請した。
2人の救急隊員が現場に到着したが、部屋に入ると女性隊員は「自分で歩きなさい」と乱暴な口調で語り、「こんな間抜け、動かす気になれない」と男性を救急車まで運ぶことを拒んだ。
結局、警察官が男性を外まで運び、隊員が担架にうつ伏せに乗せ、ベルトで固定した。現場にいた警察官は「動けないようベルトでしっかり締めていた」と語っていた。
この後、男性は病院で死亡した。検死の結果、うつ伏せの状態で拘束されたことによる体勢と、仰向けにより加えられた圧力が原因の窒息死であり、男性の死は殺人と判定された。2人は1月9日に逮捕され、第1級殺人罪で訴追された。
専門家は、うつ伏せの危険性は、救急隊員にとって“初歩的な知識”だとしている。救急サービス専門の弁護士は「こうした症状の人を担架にうつ伏せで放り投げ、その体勢のままベルトで拘束するとは、完全に作業規定に反している」と語った。
2人が所属する民間の救急車サービス会社は、この件についてのコメントは控えるとしている。2人は殺人罪で訴追され、有罪となれば最大禁固60年の実刑が課せられる可能性がある。
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