我輩は猫である、名前はまだない……それなら自分で決めちゃおう!
インスタグラムに投稿された、保護猫の“名付け”の様子が話題になっている。
2018年11月に撮られたという動画に登場しているのは、のちに「みたらし」くんと名前が付けられる、茶トラの子猫。同年の10月に保護されたばかりで、この時はまだ決まった名前がなかったのだという。
そんなまだ“名無し”だった子猫の前に置かれたのは、「みたらし」「あんず」「つくね」という3つの名前候補が書かれた紙だ。
子猫は紙の前に体を置かれると、迷うことなく「みたらし」の紙に乗った!
3枚の紙の順番を入れ替えて行った2回目も、真っ先に「みたらし」の紙に飛びついた子猫に、飼い主さんは「あ、やっぱみたらしだ!」と声を弾ませた。
「僕の名前はこれがいい!」とはっきり主張しているかのような動きに、子猫の名前は無事「みたらし」に決定!
動画が撮られた11月22日、“いいニャンニャンの日”にあわせて、みたらしくんは飼い主さんの家に新しい家族として迎えられたそうだ。
この動画には「自分で名前を選んで偉すぎ!!」「相当なお気に入りだったのかな?」「この家に来る事も名前も必然だったのでしょうね」とコメントが続々。
4万5000件を超える「いいね」が寄せられる注目の動画になった(1月6日現在)。
ほほえましい“名付け”の様子も気になるが、すでに飼い主さんの元には4匹の猫たちがいて、家にやってきたみたらしくんにはいきなり4匹のきょうだいができたという。
保護されたみたらしくんがきょうだいたちと過ごしてきた時間についても、飼い主さん(@3110ayaka)にお話を聞いてみた。
保護当時、両目は結膜炎、皮膚にはカビ…
――みたらしくんはどんな子?
雑種の茶トラ猫、2018年11月22日が「うちの子記念日」。控えめな甘えん坊です。
甘えたり遊んだり、おやつをもらう時も、他の猫がきたら譲ってあげる優しい子です。お股の間に腕を入れる、ちょっと変なスタイルの抱っこが好きです。
――みたらしくんを迎えるまでの経緯について…
当時、我が家は4匹の猫と一緒に暮らしていたのですが、よく家に遊びに来てくれる後輩から「子猫を拾ってしまったので今から連れて行ってもいいですか」と電話がありました。
子猫は車通りの多い場所にいて、近くに親猫がいないか探したりもしたけど見つからず、後輩の家でも飼えないとのことで我が家に連れて来てもらいました。
すぐに病院に連れて行くと両目は結膜炎、皮膚にはカビ、身体にはノミ、お腹には虫がいてそれぞれ処置をしてもらいました。
その日のうちに旦那さんと相談して、うちの子たちと相性が良ければ飼う。相性が悪ければ里親探しをしようということになりました。
皮膚のカビが完治するまで1ヶ月程かかったので、それまでは先住猫とは別の部屋で隔離してお世話をしていました。その間、先住猫たちは仔猫の存在に気付いてソワソワしていましたが対面は特別問題なく、1番歳の近い猫(ちまき)はすぐに仲良くなりました。
その様子を見て、うちの子にしても大丈夫そうだなと思い正式に家族として迎え入れることにしました。
3人が「それぞれつけたい名前で呼んでいた」
――名前が決まるまでは、どう呼んでいたの?
最初は「おチビちゃん」と呼んでいて、お世話しているうちに保護主の後輩は「あんず」、旦那さんは「みたらし」、私は「つくね」と、それぞれ自分がつけたい名前で呼ぶようになりました。
――みたらしくんが“自分で名前を決めた”時、どう思った?
1回目にみたらしを選んだ時はちょっとよそ見して選んでいたように見えたのですが、2回目の時は一直線にみたらしにいったので、私も旦那さんも「やっぱりみたらしがいいんだ!」とビックリしました。
最初から決めていたのかな?と思うくらい即決だったので、旦那さんは喜んでいましたし、私はスッパリと“つくね”を諦められました(笑)
先住猫とも「すぐに仲良く」「家の中がより賑やかに」
――みたらしくんと一緒に暮らす猫ちゃんたちのプロフィールを教えて
ショコラ(メス):チンチラシルバー。2007年9月25日がうちの子記念日で、とてもおとなしく静かな子です。みんなの中には入って行かず、1対1になったタイミングでそっと甘えに来ます。もうおばあちゃんなので歯がなく、ちゅ〜るやパウチなどの柔らかいご飯が好きです。
七宝(オス):雑種、笹かま猫。誕生日は2008年5月2日。我が家のボスです。お散歩が大好きで、ほぼ毎日リードをつけてお外を散歩しています。我が家で1番賢い子ですが、甘えん坊な一面もあり、基本的に人の上で寝ます。人見知りもしないので、初対面の人にも自分から近づいていきます。
ゆず茶(メス):マンチカン。誕生日は2013年6月13日。短足がかわいい我が家のアイドルです。七宝と同じく散歩が好きですが、どちらかというと七宝のことが大好きなので七宝について行きたい感じです。身体が小さく、パーカーのフードに入れてお散歩したりもします。
ちまき (オス):雑種、キジトラ猫。2017年6月18日がうちの子記念日で、身体は1番大きいけど性格は1番子どもっぽく、甘えん坊です。仔猫の時からずっと遊びたい盛りで、毎日遊ぼうと催促してきます。ちょっと天然?なのか、かわいくも面白い行動をよくしてくれます。大好きなオヤツは、投げると走って食べに行きます。
――みたらしくんは先住猫たちと会ってから、どんな様子だった?
みたらしは連れてきてもらった時からとても人懐っこく、すぐに甘えてきました。隔離生活中も、人が部屋に入るなりすぐに寄ってきて甘えてきていました。
先住猫たちと対面した時は、ちょっと威嚇したりもしていましたが、怯える感じよりもグイグイ行く感じで先住猫の方が逃げていました。特にちまきとはすぐに仲良くなり、一緒に戯れあって遊んだり、くっついて寝る姿もよく見ました。その後、七宝も加わって3匹でくっついて寝ていたのが印象に残っています。
――みたらしくんがおうちにやってきて、どんなことが変わった?
家の中がより賑やかになりました。
みたらしが来る1年ほど前にちまきが来たのですが、ちまきと他の猫たちの年齢が少し離れているのもあって、ちまきと遊んでくれる猫がいませんでした。
みたらしが来てからはちまきも思いっきり遊べているようで、ふたりで家中走り回るようになりました。
――みたらしくんは、みんなと仲良しになれた?
ちまきとは一緒に走り回って遊ぶほど仲良しで、七宝とも仲が良く、一緒に抱き合って寝たりしています。
ゆず茶とはあまり仲良くなく、みたらしが近づくと威嚇したり猫パンチしたりする時があります。ショコラとは仲が良くも悪くもなく、お互い干渉しない感じで過ごしています。
――みたらしくんの名づけ動画への反響について…
最初は本当にビックリしました。名前を決めた当時にも投稿した動画だったので、その時と今回とでこんなに反響の違いがあるなんて思っていませんでしたので。
そして驚きと共に嬉しさもありました。うちの子をたくさんの方に見て頂けて、色んなコメントも頂けて本当に嬉しいです。ありがとうございます。
候補の紙に書かれていた3つの名前は、まだ名前が決まっていなかったころに、飼い主さんや旦那さんが自由に呼んでいたものだったそうだ。
みたらしくんは正式に家族に迎えられるまでの1カ月間、“候補”の名前をじっくり聞いて、自分のこれからの名前を吟味していたのかもしれない。
そんなみたらしくんは、仲良しだというちまきくんや七宝くんをはじめ、4匹のきょうだいに囲まれてすくすく成長。
きょうだいたちと体をくっつけて寝たり、毛繕いをしてもらったり…と、大事に育てられているそうだ。
ちなみに、きょうだいたちの名前は「ショコラは先代の名前を引き継ぎ、七宝は家に来た当時7匹目の子だったので“7匹目の宝物”という意味でつけたもの。ゆず茶とちまきは毛色や見た目のイメージ」だそうで、みたらしくんだけが「自分で名前を決めた」子だそう。
4年が経ちすっかり大きくなったみたらしくんにはぜひ、大切な名前と一緒に、これからも元気に過ごしていってほしい。