2022年に起きた様々な出来事をシリーズで振り返る「ブラボー!石川この1年」シリーズの3回目は政治編。選挙イヤーとなった2022年、あの2人の今も取材した。

激闘の末、28年ぶりの新知事誕生

秋末械人アナウンサー:
28年ぶりの新知事・馳浩!歴史的瞬間、我々はその目撃者です。

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馳浩新知事:
動かそう 春の石川 新時代

保守分裂、三つどもえの激しい選挙戦を制し誕生した馳浩新知事。

塩野利明記者:
今、馳浩新知事を乗せたセンチュリーが県庁に到着します。戦後5人目の知事として石川県の新たな1ページを刻みます。
馳浩知事:
緊張しています。そして大きな責任を感じています。

7期、28年務めた谷本前知事からバトンを受け取り馳県政は走り出した。

馳浩知事:
最高だ!

馳知事が訪れたのは…

馳浩知事:
総理見えますか?馳と申します。

岸田文雄首相:
いただきます…大変豊かな感じのする味わいでありました。

馳知事:
どうもお疲れ様です、ご無沙汰しております。

馳知事の長所は国とのパイプ。

馳知事:
世界農業遺産の新たな価値観をぜひ今回の認定をいただくことで高めていきたいと思っております。

大臣のところにもフットワーク軽く訪れる。その甲斐あってか、能登地区でのトキの放鳥。さらにはG7教育大臣会合の富山・金沢開催が決まった。

さらにこんな変化も…

報道記者:
オリンピックの件について一言お願いします。

森喜朗元首相:
きょうはしないほうがいい。

森元首相が県知事室に。谷本知事時代にはありえなかった光景だ。

森元首相:
ずっと県庁に来ていない。
馳知事:
何年ぶりですか?
森元首相:
何十年ぶり。

順調に見えた馳県政の船出。

危機管理の甘さが露呈…

しかしこんなことも…

徳田博副知事:
えー…馳知事は現在、不在でございますけれども知事とは早朝から連絡体制をとっているところでありまして…

白山をPRするため、前日から白山登山していた馳知事。

記録的な大雨で県道は通行止めに。

災害対策の陣頭指揮をとるトップが県庁に戻れなくなった。

徳田副知事:
こういう雨の状況なので県庁の方へいつ戻られるかというところはまだ、確たることは言えないと思います。

結局、県庁に戻れたのは災害発生の翌日。

馳知事:
県民に不安感を与えることの無いように反省すべきは反省して、速やかな決断と実行ができるようにしたい。

なぜこのようなことが起きたのか?

知事白山登山庁内検証チーム:
出発前に警報級の大雨になるおそれがあるとの予想がされていたが、知事及び関係者間ではこの情報が共有されていなかった。

県はこう結論づけた。

議会や県民から危機管理の甘さを指摘する声が相次ぐ中…

これ以上、炎上させたくないという思いがつい、あふれ出てしまったようだ。

山崎麻柚子記者:
訓練参加していかがでしたか?
馳知事:
いざという時のために参加させていただきまして、つい、北陸中日新聞を消してしまいそうになりました。

安部元首相銃撃の波紋

会場アナウンス:
それではみなさん、黙とう…

知事選に参院補選、参院選と選挙イヤーだった2022年。4選を果たした岡田直樹参議院議員の当選会場で万歳三唱は無かった。

岡田直樹議員:
嘆いているばかりではいけません。しっかりと頑張ってご恩に報いてまいる覚悟でございます。

選挙期間中に安倍元首相が凶弾に倒れたからだ。

亡くなる11日前。安倍元首相は岡田氏の応援演説のため、石川を訪れていた。

安倍晋三元首相:
岡田さんの場合は、私から菅さんになったにも関わらず官房副長官として残った。いかに有能であるかを知ってもらいたい。この地域に必要な大臣になってもらおうじゃありませんか。

岡田議員:
安倍さんの方から「岡田さん、夏の選挙で長いからね」「身体に気を付けてね」こういう風に言われたんですね。

岡田議員:
しかし、身体に気を付けてねといった安倍さんのほうがこんな形で亡くなるとは…辛い悲しい気持ちで今も一杯です。

岡田さんは、県内関係者として7年ぶりに閣僚入りした。

しかし、この事件で明らかになったのは…

山上徹也容疑者(アフレコ):
母親が入信した旧統一教会に恨みがあった。安倍元総理とつながりがあると思い犯行に及んだ。

政治家と旧統一教会とのつながりだ。

それは石川県内でも…

馳知事:
10近くある団体で応援いただいているうちの1つ。金銭的に支援は受けていない。

このほか、県内の国会議員や県議などで続々とつながりが…

県議アンケート:
選挙のたびに応援・会合の参加をいただいた。

自民党県連はこう決断した。

自民党石川県連 作野広昭幹事長:
推薦者も公認者も全員に確約書はいただく。それをもって、党本部に県連から申請する。

2023年春の統一地方選。自民党県連は公認・推薦候補に「旧統一教会とつながりを持たない」と確約書を出させ関係の見直しを求めた。

2023年は「G7教育大臣会合」や「いしかわ百万石文化祭」など国をあげてのイベントがめじろ押し。馳知事得意のアピール力で「石川ブラボー!」と国の内外に発信するチャンスだ。

県を28年牽引した元トップの今

こうした中、石川テレビが訪ねたのはこの人。

山崎記者:
失礼します。
谷本正憲前知事:
はい、ようこそ。

7期、28年にわたり県政のトップを務めてきた谷本正憲前知事。

現在は石川県公立大学法人の理事長を務めている。

2022年の漢字を聞いてみると…

谷本前知事:
「復」、回復の復かな。やっとコロナと社会経済を回すということを同時並行してやっていこうというね。そんな意味ではかつての社会経済状況まで100%ではありませんけれどもどんどん回復をしてきている。

知事を退任してもなお、現職知事のようなコメントだった。

一方、私生活ではこんな変化も…

谷本前知事:
自動車教習所へ実は通いまして意外とハンドルさばきは身体が覚えているっていうことを実感しまして。それからはもう毎週末土曜日、個人的にドライブを楽しんでおりまして北は今のところ、旧の富来町、穴水町まで行っておりますがあと輪島、珠洲までね。

谷本前知事:
運転をしていけるのも時間の問題ではないかなと思っておりますし…世界が広がりました。

馳新知事となって8カ月あまり。豪雨災害の際に、白山登山をして災害対応の指揮を取れなかったことについては。

谷本前知事:
これも1つ1つ経験を積まれることによって危機管理のノウハウがどんどんね、蓄積をされていくんじゃないかと思いますよね。

谷本前知事:
やっぱり危機管理っていうのは県政の上で最も重要視すべき事柄であることは間違いありませんよね。もうおそらく馳知事は…今度の一件で危機管理については肝に銘じておられるんじゃないですか。

最後に2023年の抱負を聞くと…。

谷本前知事:
個人的には2023年予定されている認知症テストと高齢者講習をしっかりクリアをして免許が更新できるような、そんな状況を作り出していくことができれば。

知事選を戦った前金沢市長の今

一方、この人も大きな転機を迎えた。

山野之義前金沢市長:
きょうはカレーライスをいただいています。

山崎記者:
金沢市長時代のお昼は?
山野前市長:
僕、食べませんでした。昼、休むっていう発想がなかったですね。

金沢市長を11年務めた山野之義前市長。知事選出馬のため辞職し、当選した馳知事におよそ8000票差で敗れた。

現在は、政治家になる前に勤めていた古巣、ソフトバンクの戦略顧問を任されている。

山野前市長:
知事選後はちょっと疲れましたのでいろんな意味で年内いっぱい少しのんびりしながらという思いでいましたけれども、ありがたいことに声をかけていただきましたので、全国の都道府県、市町村のDXをサポートしています。

山野前市長:
充実したという表現になるのか楽しいという表現がいいのか、そんな生活を送っています。

後任となった村山市長の市政運営については?

山野前市長:
文化的素養も大変高い方ですし人柄も最高にいい市長ですから、これから金沢市民のみなさんに愛されて文化都市金沢の個性・魅力を高めていく、そんな市長になってくれると思いますしそれをさらに発信してくれると思っています。

そんな山野前市長の2022年の漢字を聞くと…

山野前市長:
挑む、挑戦の「挑」。

山野前市長:
常に挑戦をしていかないと、ダメになっていくんだと。今年、60歳になりましたけれども年齢関係なく、常にそんな思いでいなければいけない。

山野前市長:
今はこれまでの政治家とは違う全く新しい環境になりましたから、さらになおさらのこと新しい環境に臨んでいく、挑んでいく、そんな思いで今年もいましたし来年もこの思いでいきたいと思っています。

2023年の抱負は?

山野前市長:
僕の時代に金沢マラソンを始めました。出場に向けて、練習もしていきたいと思います。

山崎記者:
近いうちに金沢マラソンで山野さんに会える?
山野前市長:
でも僕、今まで抽選で2回落ちてますからね。まずは走る練習も大事ですけれども、まあ抽選に当たる練習っていうのは無いですけれど、そこを目指していきたいと思っています。

2023年春には統一地方選挙が行われる。石川県政界、2023年も激動の1年となっていくのだろうか。

(石川テレビ)

石川テレビ
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