覚醒剤を所持したなどの疑いで福岡県警に逮捕された不動産業の男。別れた女性と女性の新たな交際相手に、罪を被せようとした男のあきれた手口とは。

天井裏から覚醒剤 浮上した“元交際相手”の存在

顔を隠し、うつむきながら警察車両に乗り込む男は、覚醒剤所持などの疑いで逮捕された福岡県小郡市大保の不動産業・江頭勇樹容疑者(42)だ。

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事件の発端は2021年8月、警察の匿名通報ダイヤルに寄せられた、「AさんとBさんが覚醒剤を所持して使用しています」という1通のメールだった。

Aさんは福岡県志免町に住む20代の女性。そしてBさんは、一緒に暮らす交際相手の男性だ。
寄せられた匿名のメールを頼りに、警察がAさんたちの自宅を捜索すると、浴室の天井裏から覚醒剤やMDMAが発見された。

しかし…。

AさんとBさん:
私たちは関係ありません

AさんとBさんが、うそを言っているようには見えない―。警察がAさんから話を聞く中で捜査線上に浮上してきたのが、Aさんの元交際相手、江頭容疑者だった。

女性への嫌がらせ 容疑者の手口とは

警察が周辺の防犯カメラなどの捜査を経て導き出した事件の概要は、以下のものだった。

1)江頭容疑者は2021年7月、空き家となっている部屋に何らかの方法で侵入
2)そして天井裏に覚せい剤やMDMAを隠すとー

3)AさんとBさんがその部屋に入居
4)その後、匿名通報ダイヤルで自ら警察に通報した

一体なぜ、江頭容疑者はAさんとBさんの入居する部屋を事前に知ることができたのか。捜査関係者は次のように話した。

捜査関係者:
江頭容疑者の仕事は不動産業。職務の中で知ることができた可能性が高い

職権を悪用したとみられる悪質な行為。しかし、事件はこれだけではなかった。

実は江頭容疑者は、匿名ダイヤルで通報する前にも、覚醒剤や偽装したBさんの注文票などを入れた封筒を2人の自宅の前に落とし、その後、2人を犯人に仕立てあげようと公衆電話を使って警察に通報。

しかし、その計画もむなしく、自らが覚醒剤所持などの疑いで逮捕されてしまった。

2度にわたる執拗な行為について江頭容疑者は、「別れた女性に対する怒りが出てきたため嫌がらせのためにしました」と容疑を認めている。

警察は覚醒剤の入手ルートなども含め、慎重に捜査を進めている。

(テレビ西日本)

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