10月21日から23日に北海道・月寒体育館で行われた、全日本ノービス選手権。

ノービスA男子は、全日本ノービス歴代2位のスコアで高橋星名が初優勝。ノービスA女子は、唯一90点台を叩き出した上薗恋奈が初の頂点に輝いた。

“トップスケーターへの第1関門”と言われるこの大会で、11月25日に行われる全日本ジュニア選手権に推薦出場するノービスAの選手や、ノービスB、アイスダンスの選手を特集する。

【ノービスA男子】

ノービスA男子は、上位3位までが全日本ジュニア選手権に推薦出場する。

去年3位だった推薦選手・高橋星名は、悲願の優勝を飾る。

10月はじめの近畿選手権前に左でん部付近を負傷し、欠場。今大会はそのケガを乗り越えての出場となった。チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」に乗せて、流れのあるスケーティングと高い表現力を見せた。

ジャンプでは2度の転倒がありながらも、決まったジャンプは着氷後もスピードが落ちず、質の高さがうかがえた。

高橋星名
高橋星名
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104.35点と全日本ノービス歴代2位のハイスコアで戦いを制した高橋は、「2回転んでも104点という高得点が出せるようになったのは、自分でもいい収穫です」と演技を振り返る。

2年連続の出場となる全日本ジュニアに向けて、「トリプルアクセルを投入したい」と意気込みを語った。高橋の新たな挑戦から目が離せない。

西野太翔
西野太翔

西野太翔(たいが)が、史上8人目の100点超で2位。

演技構成点では全体1位と、高い表現力とスケーティング技術を見せたが、ジャンプの細かいミスが響き、優勝までわずか2.41点届かなかった。

それでも西野は、「1位が取れなくて悔しいですけど、この失敗をうまく利用して、今後につなげていきたい」と前を向く。

メダルを手にガッツポーズをする西野太翔
メダルを手にガッツポーズをする西野太翔

全日本ノービスで4年連続表彰台に登った西野は、次は2年連続出場の全日本ジュニアへと挑む。去年はフリー進出を逃したため、西野にとってリベンジの舞台となる。

西野は「ジュニアの人たちに追いつけるように1カ月練習を頑張っていきたい。全日本ジュニアでは、頑張って8位以内に入れたら」と、さらなる飛躍を誓った。

花井広人
花井広人

3位は、中部選手権王者の花井広人。

去年17位から大きく順位を上げた花井は「去年はジャンプは良かったが、演技構成点がまったく出なかったので、この1年間、そこを改善してきた」と、その成果を今年は見せた。

映画「タッカー」の軽快な音楽を見事に表現し、演技構成点は去年から約15点もアップ。

それに加えて、ジャンプも回転不足こそあったが、すべて着氷。後半に連続ジャンプを2つすべて組み込む、強気なジャンプ構成も功を奏した。

メダルを手にする花井広人
メダルを手にする花井広人

初めての全日本ジュニアに向けて、「ショートプログラムでは3回転+3回転の連続ジャンプが必須だと思う。そこを確実にできるように。ショートを通過して、フリーでとにかく楽しく滑ることが目標」と意気込んだ。

自身だけでなく、妹・咲良もノービスB2位で表彰台に登った。花井兄妹の今後の活躍に期待だ。

ノービスA男子表彰台
ノービスA男子表彰台

1 高橋 星名(木下アカデミー)104.35点
2 西野 太翔(神奈川FSC)101.94点
3 花井 広人(邦和みなとスケート部)96.60点
4 堀野 伊織(八戸FSC)91.99点
5 岡崎 隼士(倉敷FSC)82.89点
6 森 遼人(アクアリンクちばSC)77.30点

【ノービスA女子】

上位4名が全日本ジュニア選手権に推薦されたノービスA女子。

優勝は、唯一90点台をマークした小学6年生の上薗恋奈(れな)。

上薗は「今シーズンの目標が全日本ノービスで優勝して、全日本ジュニアに出場することだったので、それが達成できて嬉しい」と喜ぶ。

ブロードウェイミュージカル「ムーラン・ルージュ!」の劇中歌「Backstage Romance」の力強い歌声に負けない、メリハリのある動きで会場を魅了。

上薗恋奈
上薗恋奈

冒頭の3回転ルッツ+3回転トゥループで、わずかな回転不足が取られ減点となったが、それ以外はすべて加点のつく演技で昨年5位から悲願の優勝を飾った。

「今回、完璧でなかったスピンや、あとステップでもレベルをちゃんと取って、加点も取れるように。安定感のあるジャンプも跳びたい」

昨年は18位だった全日本ジュニアで、上薗は今度どんな演技を見せてくれるのだろうか。

2、3位には地元・北海道勢が入った。

岡万佑子
岡万佑子

推薦選手として、全日本ノービスに挑んだ岡万佑子(まゆこ)が2位に。

長い手足を活かした演技で、「シェヘラザード」の世界観を表現した。

メダルを手に笑顔を見せる岡万佑子
メダルを手に笑顔を見せる岡万佑子

ジャンプに細かいミスがあったが、スピンでしっかりと得点を重ね、10月はじめの東北・北海道選手権より15点近くもスコアを上げて、表彰台に登った。

宮本琉花
宮本琉花

3位は、宮本琉花(るか)。

「去年15位で悔しくて、メダルを取りたいっていう目標があった。1年かけて練習を頑張ってきた成果が出た」と本人も話すように、高さのあるジャンプを次々と着氷させ、最初から最後まで軽快に滑り切った。

メダルを手に笑顔を見せる宮本琉花
メダルを手に笑顔を見せる宮本琉花

リンクアウトして、すぐさま武田奈也コーチに抱き着いた宮本。

練習の成果が出た演技にコーチも思わず涙をこぼし、キスアンドクライでは2人で喜びを分かち合った。

河野莉々愛
河野莉々愛

去年のノービスB3位の河野莉々愛(りりあ)が4位に。身長133センチの体を目一杯使い、「道」をコミカルに表現した。

河野は、最初から最後までスピードが落ちない演技で会場を魅了する。

「表彰台を目指していたので、ちょっと悔しい」と悔しさも滲ませたが、河野はノービスA1年目ながら全日本ジュニアへの推薦出場を掴んだ。

今年、岡山から京都の木下アカデミーへと拠点を移した小学5年生。全日本ジュニアの舞台でどんな演技を見せてくれるのか、楽しみだ。

ノービスA女子表彰台
ノービスA女子表彰台

1 上薗 恋奈(LYS)99.73点
2 岡 万佑子(ROYCE' F・S・C)83.96点
3 宮本 琉花(白鳥T・FSC)83.28点
4 河野 莉々愛(木下アカデミー)83.00点
5 吉田 菫(倉敷FSC)82.81点
6 大竹 沙歩(MFアカデミー)82.42点

【ノービスB女子】

全日本ノービス歴代3位の86.24点を叩き出した金沢純禾(すみか)が、初優勝した。

昨年1回転となり、悔しい思いをした冒頭の3回転ルッツを鮮やかに成功させると、金沢は勢いに乗る。

軽快なピアノの音色にのせ、2回転アクセル+3回転トゥループ、3回転ループ、3回転フリップと次々とジャンプを成功。

金沢純禾
金沢純禾

ジャンプだけでなく、スピンにもキレがあり、3つすべてで最高評価のレベル4を獲得する。細かい音にも合わせた振付も軽やかに踊りこなした。

最後の3回転サルコウからの3連続ジャンプを決めると、着氷してすぐにガッツポーズ。演技後にも、金沢は何度も何度も拳を握りしめた。

全日本ノービスでノービスBの選手が5種類の3回転を成功させたのは、史上初の快挙。

演技後のキスアンドクライでは、「80点いくかな…」と心配そうに得点を待っていたが、目標を超えるスコアに喜びが溢れた。

ノービスB女子で優勝した金沢純禾
ノービスB女子で優勝した金沢純禾

「1番最高の演技になりました。嬉しいしか言葉が出てこないです。自分で計算して、ノーミスしたら85点は出ると思っていた。目標の点数を超えられて、いつもより達成感が大きい」

木下アカデミーの充実した練習環境も成長の大きな要因だと言い、関係者にも感謝を述べていた小学5年生。

金沢は、来年からノービスAにカテゴリーが上がる。表現力の向上や、3回転+3回転の連続ジャンプの習得に意欲を燃やしている。

ノービスB女子表彰台
ノービスB女子表彰台

1 金沢 純禾(木下アカデミー)86.24点
2 花井 咲良(邦和みなとスケート部)70.97点
3 星 碧波(グランプリ東海クラブ)67.77点
4 森岡 凛(LYS)64.92点
5 一貫田 紗生(関空スケート)64.24点
6 宮岡 光(ひょうご西宮FSC)60.91点

【ノービスB男子】

男子では、昨年3位だった吉野咲太朗が優勝。

「東京選手権のインタビューの時に『圧勝したい』と言っちゃったので、頑張らないと思って、頑張りました」と、自分自身にプレッシャーをかけながらも、すべてのジャンプを着氷させる。

吉野咲太朗
吉野咲太朗

バレエ経験が活きた、手足の先まで意識の行き届いた動きはキレ味抜群だった。

マイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」をカッコよく表現しきり、演技後には、ガッツポーズも飛び出した。

ノービスB男子で優勝した吉野咲太朗
ノービスB男子で優勝した吉野咲太朗

今後に向けて、すでに吉野の中で踊りたいという曲がいくつかあるという。

今後、どんなプログラムが見られるか期待だ。

ノービスB男子表彰台
ノービスB男子表彰台

1 吉野 咲太朗(西武東伏見FSC)75.18点
2 日髙 晴久(MFアカデミー)67.04点
3 山本 航成(西武東伏見FSC)66.98点
4 デイリー スカイラー海聖(神戸クラブ)65.13点
5 秋元 聖輝(飯塚フィギュアクラブ)62.68点
6 上田 将生(仙台泉F.S.C.)61.43点

【アイスダンス】

結成5シーズン目の吉田菫・小河原泉颯(いぶき)組の“すみいぶ”カップルが貫禄の連覇達成。

「アダムスファミリー」を情感豊かに息の合った演技で、全日本ノービス史上初の50点超えを果たした。

吉田菫・小河原泉颯組
吉田菫・小河原泉颯組

小河原は「1番良い演技が出来たので、すごく嬉しい」と喜び、吉田は「自己ベストが出せて嬉しかったけど、まだまだ自分たちには足りていないことがあると思ったので、もっとレベルアップしていきたい」と早くも次なる大会へ向けて前を向く。

優勝した吉田菫・小河原泉颯組
優勝した吉田菫・小河原泉颯組

2人は師事するキャシー・リードコーチとクリス・リードさんのようなカップルになりたいと語る。

今後は、ツイズルやリフトのレベルアップ、そして、スピードのある演技をしたいと話し、さらなる高みを目指す。

アイスダンスの表彰台
アイスダンスの表彰台

1 吉田 菫・小河原 泉颯(倉敷FSC)50.86点
2 松崎 羽琉・本村 明希(明治神宮外苑FSC)42.81点
3 八幡 奈乃花・武正 侑駕(明治神宮外苑FSC)34.78点
4 中西 希亜良・米田 嘉一(明治神宮外苑FSC)29.93点

(※11月3日に日本スケート連盟がアイスダンス競技の得点の修正をしたため、記事掲載の点数も修正致しました)

全日本までの道の詳しい概要はフジスケで!
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/toJPN.html