10月28日から京都で開催される西日本選手権。
中部選手権、近畿選手権、中四国九州選手権を勝ち抜いた選手たちが、全日本選手権をかけた最後の戦いに挑む。
今年の全日本選手権は、12月21日から大阪・東和薬品RACTABドームで開催される。
果たして、どの選手が全日本への切符を掴むのか。
シニア女子・男子、ジュニア女子・男子、アイスダンスなど注目度の高い選手を紹介するとともに、全日本出場権の切符をかけた戦いの激しさを見ていく。
シニア女子はたった7枚の切符を争う過酷な戦い
シードの坂本花織、河辺愛菜をのぞく選手で争われるシニア女子。GPシリーズ出場のため、紀平梨花、松生理乃、横井ゆは菜が予選を免除され、全日本の出場が決定。
西日本選手権では7名が、全日本の出場権を獲得できる。この7枚の切符をかけて、27名が大会にエントリーしている。
まず注目したいのは、優勝争い。
![近畿選手権で優勝した三原舞依](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/7/700mw/img_77f252d9254cbe97c834b93ff8579b85291704.jpg)
今季、好スタートを切っている三原舞依が、やはり優勝候補筆頭。近畿選手権では優勝こそしたものの、多くの課題を挙げ、「練習を頑張りたい」と口にしていた。
近畿からの3週間でどのような調整をしてきたか注目だ。
![Jr.GPファイナル出場を決めている吉田陽菜](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/2/700mw/img_b21ec5930eb27239d02ee826e36013ac463006.jpg)
その三原に食らいつきたいのは、Jr.GPファイナル出場を決めている吉田陽菜。西日本では、シニアでエントリー。今季は出場したすべてのジュニアの試合で優勝している。
吉田の代名詞であるトリプルアクセルが決まれば、優勝も見えてくる。
そして、注目の全日本争いは過酷な戦いが待ち受ける。
![中四国九州選手権で優勝した三宅咲綺](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/7/700mw/img_f73bcb1bffbb61262c776e89d289ba2479560.jpg)
三宅咲綺は、地方大会のスコアでは三原に次ぐ得点で西日本へ。昨年の全日本でフリー進出を逃した悔しさを晴らすために、まずは出場権を獲得したい。
地方大会3番目のスコアは大庭雅。27歳のベテランスケーターが11回目の全日本出場を狙う。
5年連続で全日本に出場中の山下真瑚も、持ち味のダイナミックなジャンプと伸びやかな滑りが見せられれば、全日本に近づく。
鳥取県出身スケーター・永見千代乃は、地方大会のスコアでは5番手に位置。力強い滑りで、初めての全日本出場なるか、期待したい。
![初の姉妹出場を目指す横井きな結](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/e/a/700mw/img_ea4a6daf9931b7affe231d8049bbddca576405.jpg)
横井きな結は、初の姉妹出場を目指す。
姉・ゆは菜は、GPスケートカナダに出場するため、先に全日本出場が決定。その姉にきな結も続きたいところだ。
![中野園子コーチに師事する籠谷歩未](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/5/700mw/img_85bf60b664ef0514e9699f19a019bc4b365630.jpg)
三原舞依・坂本花織と同じ中野園子コーチに師事する籠谷歩未も、全日本を虎視眈々と狙う。近畿選手権では、珍しくミスが重なったが、きっちりと修正してきくるだろう。
さらに、福岡のスケート姉妹、竹野比奈・仁奈姉妹も中四国九州選手権での悔しさをバネに、西日本で勝負をかける。ともに集大成と位置付ける今シーズンだからこそ、全日本出場を逃すわけにはいかない。
浦松千聖は昨年まで3年連続で全日本に出場中。ジャンプが噛み合わなかった中部選手権からどのように調子を合わせてくるのか、注目だ。
この全日本争いは、28日のショートプログラムがカギとなる。大きなミスなく終えた選手が、大舞台に近づくだろう。
優勝争いも全日本争いも熾烈なシニア男子
シニア男子はGPシリーズに出場の友野一希、三宅星南、山本草太が予選を免除されている。この西日本では、エントリー17名中10名が全日本選手権への切符を掴む。
![去年、西日本選手権で優勝した森口澄士](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/2/700mw/img_42df5925a1ee12cc9bf6e47daf266e26470272.jpg)
優勝候補は、近畿選手権3位の森口澄士(すみただ)。ロケットのような豪快なトリプルアクセルを武器に、今大会も迫力のある演技を見せてくれるだろう。
シングルとペアの二刀流で戦う今シーズン、この1カ月で5試合を戦うハードスケジュールだが、その分勢いもある。去年優勝した西日本で連覇を狙う。
櫛田一樹は、地方大会のスコアでは出場選手の中でトップ。昨年の全日本での演技が納得いかず、現役続行を決意した23歳。4回転トゥループの精度が優勝争いを大きく左右する。
GPシリーズに出場する壷井達也、本田ルーカス剛史も意地を見せたい。
![今季シニアデビューした壷井達也](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/7/700mw/img_b7c344c0f0e6cb54f89a20dabb73809e384315.jpg)
4月の世界ジュニア選手権銅メダリスト・壷井は今季シニアデビュー。近畿選手権では2週間前に左肩を脱臼し、大事をとって構成を落として挑んだ。夏に壷井は、「今季フリーでは4回転2本構成に挑戦したい」と意欲を語っていた。
ケガの回復状況が気になるところだが、万全の状態なら優勝候補の一角だ。西日本後に控えるGPシリーズ2戦に向けても弾みをつけたい。
![GPフィンランド大会に出場する本田ルーカス剛史](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/8/700mw/img_38ff5b9c116e3a343b0aa5941e0e6da5304381.jpg)
GPフィンランド大会にエントリーされている本田も、ポテンシャルの高い選手だ。
近畿選手権は、スケート靴のトラブル、ケガや体調不良も重なり、本来の力は出し切れず。西日本では、持ち味の情感豊かな表現力を見せてくれるか。
さらに、地方大会のスコアから全日本出場に有力視されているのは、木科雄登、須本光希の2人だ。
![木科雄登は全日本出場6度の実力者](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/8/700mw/img_68a23d4337dda8b3d88e6e6eb747a9fe329805.jpg)
ケガからの完全復活を期す、全日本出場6度の実力者・木科、ラストイヤーで地元・大阪での全日本に強い思い入れを持つ須本も、西日本で上位につけて、全日本に向かいたいところ。
![地元・大阪開催の全日本に強い思い入れを持つ須本光希](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/0/a/700mw/img_0ace086b16d8ea6b08ba4ebe13bcef11325668.jpg)
ここからが、熾烈な全日本争いとなる。
西日本の厳しい戦いを制し、2年連続で全日本出場中の古家龍磨。特技がプログラミング、趣味がアプリ開発という九州工業大学生。毎年、大学の課題に追われながらも全日本を掴んできた文武両道スケーターだ。今年も西日本に調子を合わせられるか。
シニアデビューの小林隼は、夏の大会からトリプルアクセルにチャレンジし続けている。今シーズン、広島から兵庫へと拠点を移した三島悠生も表現力で見せてくれる選手だ。
さらに、近畿選手権で小林より上回った嘉手納宙大、トリプルアクセルに挑戦中の鈴木空、昨年全日本出場を果たした和田龍京など、激しい戦いが予想される。
豪華なジュニアの戦いにも注目
西日本選手権では、ジュニアも開催される。全日本ジュニア選手権の出場権をかけた一戦は激戦必至だ。さらにJr.GPシリーズ出場のため、地方大会を免除された選手たちも顔を揃える。
女子は、シードの島田麻央をのぞく、上位12名が全日本ジュニアの出場権を獲得する。
![初の西日本選手権に挑む島田麻央](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/f/700mw/img_2f564a835841bd7996cc8f6acc308ad3584397.jpg)
そのシードの島田は初めての西日本に挑む。Jr.GPシリーズでは、出場した2戦とも210点を超えるハイスコアで圧勝し、世界にもその実力を見せつけた。今シーズンのフリーは、4回転トゥループとトリプルアクセルを組み込んでいる。
出場した大会では、いまだ2つを揃えて成功することはできていない。4回転とトリプルアクセルを1つのプログラムで同時に成功させれば、日本女子では初となる。その快挙が西日本で見られるのか、楽しみにしたい。
![今年も優勝を目指す柴山歩](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/0/1/700mw/img_01920143755bbbed9edefe427fe93c4c455152.jpg)
Jr.GP2戦に出場した柴山歩も西日本に出場。
1戦目のフランス大会では2位で表彰台に登ったものの、2戦目のポーランド大会では5位となり、Jr.GPファイナル出場を逃した。この悔しさを胸に、去年優勝した西日本で、全日本ジュニアに向けて再び勢いにのりたいところだ。
男子は、全日本ジュニア優勝候補の2人が熱い戦いを見せてくれる予感だ。
![優勝したJr.GPポーランド大会でジュニア最高得点を出した片伊勢武アミン](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/c/700mw/img_9c319ed455874d2cc9657784e561e869743766.jpg)
ジュニア最終年で、初めてJr.GPシリーズに派遣された片伊勢武アミン。2戦ともに表彰台に乗り、ファイナルへの出場も決めた。優勝したJr.GPポーランド大会で記録した234.24点は今シーズンのジュニア最高得点(Jr.GPシリーズ終了時点)。
海外で経験を積んだ滑りは、さらに伸びやかさを増した印象だ。2020年3位、2021年2位と、ステップアップしてきた西日本。ラストチャンスで優勝を飾れるか。
![西日本選手権、初優勝を狙う中村俊介](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/0/700mw/img_80ba0ce35069dea63417a4654e4800c8334777.jpg)
中村俊介もJr.GPファイナル進出を決めた1人。強い目力と華のある演技は、世界の大会でも高評価を得た。今年2月に試合で初めて成功させた4回転トゥループは、今シーズンも挑戦。爆発力を秘める高校2年生が、西日本初優勝を狙う。
30名がエントリーしているジュニア男子は、16名が全日本ジュニアへ進出することができる。
アイスダンスもシニア・ジュニアそれぞれ4組がエントリー
アイスダンスも開催される今大会。去年は渡航制限もあり、すべてのカップルが出場することが叶わなかったが、今年はジュニア・シニアで4組ずつがエントリーする。
シニアは、木下あかり・田村周彦の慶應義塾大学のカップルや、菊池彩子・池田喜充組、矢島榛乃・松井努夢組が出場。
さらに、アメリカを拠点に活動する高橋ニコル・シャイロー・ジャド組も参戦。去年、全日本の出場権はあったが、アメリカから入国できず出場を断念した2人の日本での初演技が楽しみだ。
ジュニアでは、4月の世界ジュニア選手権代表、來田奈央・森田真沙也組に注目。Jr.GPシリーズでは、日本のチームとしては初めて表彰台に登る快挙を達成した。“きだもり”カップルの進化から目が離せない。
毎年、選手の笑顔や涙が入り混じる、西日本選手権。今年はどんなドラマが待ち受けているのだろうか。
1人でも多くの選手が納得いく演技ができることを祈りながら、戦いを見守りたい。
(※10月28日14時30分に一部文章を訂正しました)
全日本までの道の詳しい概要はフジスケで!
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/toJPN.html