人気のサウナ。ブームが続く中、信州は今や「サウナ王国」とも言える盛り上がりを見せている。軽トラに載せた移動式や、従業員の福利厚生に取り入れたケースなど、その「多様化」に迫った。

サウナ・ブーム…信州は人口当たり施設数「全国2位」

「では、いきまーす!」

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サウナストーンに水をかけ…大きなうちわであおぐ。

客:
熱い!熱いです

長野市妻科の天然温泉「うるおい館」。ぬめりのある泉質が幅広い世代に人気の温泉施設だ。
元々サウナはあったが、空前のブームで若者を中心に「サウナー」(サウナ愛好家)が増加。
そこで、ストーンに水をかけて蒸気で室温を急上昇させる「ロウリュ」のサービスをスタートさせた。

「ロウリュ」のサービスをスタート(長野市・裾花峽天然温泉宿うるおい館)
「ロウリュ」のサービスをスタート(長野市・裾花峽天然温泉宿うるおい館)

裾花峽天然温泉宿うるおい館・荻野洋介副支配人:
サウナがはやってきているというのもありましたし、当社の若者からお声をいただきまして「よし、やろう」という感じで始めた

土日祝日は、これに、うちわを持った「うるおい泉隊」が出動。熱波を送る。

客:
これいいわ。今、急に汗出てきた。あー、よかった。きょうビールうまいぞ、これ

客:
気持ちがリフレッシュ、すごく気持ちいい

裾花峽天然温泉宿うるおい館・荻野洋介副支配人:
若い方に来ていただければ。サウナで熱い思いをしていただいて、そのあと水風呂とか露天風呂に行って、いわゆる「ととのう」感じを体感していただきたい

大手サウナ検索サイトによると、信州はサウナ施設数で全国5位、人口当たりでは2位と「サウナ王国」と言っても過言ではない。

特に盛んな「アウトドアサウナ」

特にサウナ小屋で汗をかき、豊かな自然の中で外気浴をする「アウトドアサウナ」が盛んで、「聖地」と化している施設もある。

小谷村で、2022年7月にオープンした「アイノアサウナ」もそうした施設の一つ。比較的低温の「フィンランド式」で、じっくり温まったら…水風呂へ。そのあとの外気浴は…

アイノアサウナ・国本賢さん:
こちらの空中ハンモックで

空中ハンモック
空中ハンモック

NBS・重盛赳男アナウンサー:
おっ、お~、ゆれるゆれる!浮いているみたいですね。浮遊感の中での外気浴、一般的なものとは違った解放感、爽快感がありますね

スキー場の麓にあるロッジが、コロナ禍で宿泊客が減少する中、グリーンシーズンも楽しめるものをと新たに導入した。

アイノアサウナ・国本賢さん:
登山、スキー、アウトドアアクティビティとサウナという形で、初心者から「サウナー」までご利用していただければなと思っています

サウナ好きで起業…「軽トラサウナ」レンタル、サウナ小屋の受注生産

こんなサウナも登場!

重盛アナウンサー:
こちら、軽トラックの上に小屋が乗っていますね。こちらが?

マウントブックサウナ・山本広志さん:
こちらが「軽トラサウナ」になります

山本広志さんが製作した、軽トラに載せて出張・レンタルも可能な「軽トラサウナ」。早速、中へ…

重盛アナウンサー:
入って5分ほど経過しました。汗だくです。とっても熱いです。コンパクトな分、熱のまわり、汗が出てくるのが早い印象

もちろんロウリュも!

重盛アナウンサー:
すごい熱波ですね!

実は製作者の山本さん自身も「サウナー」。コロナ禍に密を避けようと、自分専用にと作ったのが事の始まりだ。

マウントブックサウナ・山本広志さん:
父が元建具職人というのもありまして、工具と工場も実家にすべてそろった状態であったので、普通の人よりは始めるには簡単な状況だったのかな

出来の良さから製作依頼が舞い込むようになり、2021年に約20年勤めた会社を退職して、サウナ小屋を製作・販売する事業を立ち上げた。

マウントブックサウナ・山本広志さん:
一大決心と言えばそうなんですけど、やっぱりサウナが好きですし、自分の作ったサウナで喜んでもらえればさらに最高だと思っているので、すごくやりがいを感じて毎日過ごしています

サウナ小屋を完全受注生産している他、軽トラに載せて家庭やサウナーの集まり、イベントなどに出張レンタルもしていて人気上昇中だ。

マウントブックサウナ・山本広志さん:
まずはたくさんの方に知っていただいて、体験していただいて、一家に一台じゃないですけど、それぐらいサウナが普及するようになったらいい

社員の福利厚生、商談の場にも

はたらクリエイト
はたらクリエイト

サウナはこんなところにも。
佐久市にある「はたらクリエイト」のオフィス。オンラインでオフィス業務を代行する会社だ。
更衣室で「ポンチョ」に着替えた社員。向かったテラスに、なんとサウナがあった。最大4人が入れる薪ストーブ式の本格派だ。

営利目的ではなく、主に「社員用」として設置された。仕事で疲れた頭や体をリセットしてもらう「福利厚生」の一環だ。

はたらクリエイト・柚木真取締役:
仕事終わりだったり、土日も使えるようにしているので、リフレッシュに使ってもらえれば

外には水風呂も!

社員:
めっちゃ気持ちいい

心も体もリラックス。

社員:
きょう、めっちゃサウナ日和じゃないですか。めっちゃいい日ですね。すごくリラックスして、このまま寝られそうな感じがします

社員:
気持ちいいです、最高ですね。こうやってサウナ入る機会があると、楽しみに(仕事を)頑張れます

会話が弾むことから、サウナは「商談の場」にもなっているそうだ。

はたらクリエイト・柚木真取締役:
すごく仲良くなったり、深い話までできるので、仲良くなりたい社外の方をお招きして一緒に入ったりとかはよくしてますね。仕事をガリガリやるだけじゃなくて、仕事とこういった楽しみを混ぜながら、楽しい仕事時間を過ごしてほしい

熱を帯びる信州でのサウナ人気。「多様化」もますます、進みそうだ。

(長野放送)

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