9月9日は「救急の日」。救急救命士として鹿児島県大隅地方を守る兄弟に密着した。命を守る最前線で奮闘する2人の思いとは…。

高度な救命処置を行う仕事 中学生で志す

助けを求める電話を受けながら、同時に出動準備。電話がかかってきてから数十秒で、慌ただしく救急車が走り出す。

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収容された男性は、めまいと吐き気を訴えていた。救急隊員が冷静に処置を始める。

兄・米永勇貴さん:
めまいが一番つらいですね。どうか良くなればいいですが。

救急車の中で男性に声をかけるのは、大隅肝属地区消防組合の救急救命士、米永勇貴さん(32)。米永さんは男性を病院に搬送して消防署に帰ってきた。

兄・米永勇貴さん:
ほっとしてます。あとは病院での治療で、症状が軽快するのを祈るだけです。

米永さんの仕事「救急救命士」は国家資格で、搬送中の患者に対して医療器具を使った気道確保や薬剤の投与など、高度な救命処置を行うことができる。

中学生の時にはしご車を見学したのがきっかけで、消防署で勤務することを夢見た米永さん。今は救命のエキスパートとして、命を守る最前線で奮闘している。

兄・米永勇貴さん:
日々大切にしていることは、少しでも毎日成長して1日の勤務を終わること。成長したあかつきに、市民に安心してもらえるような活動ができればと精進している。

「兄は憧れのスーパーマン」救急車の中にぬいぐるみ

そんな兄の姿に憧れを持ち、背中を追いかけた弟がいた。

弟・米永聖弥さん:
私は小さい時からスーパーマンに憧れていて。高校の時、兄の非番日の訓練している姿を見て、かっこいいな、スーパーマンだなと思って。

救急救命士の米永聖弥さん(25)。兄と同じ肝付地区消防組合で働くことが夢だったが、親族が在籍する場合は採用できない決まりになっていて、隣の曽於地区消防組合で働いている。

救急車にアンパンマンのぬいぐるみが…
救急車にアンパンマンのぬいぐるみが…

救急車の中に、アンパンマンやハローキティのぬいぐるみを見つけた。

(Q. このぬいぐるみは何ですか?)

弟・米永聖弥さん:

子どもが救急要請した時、救急車の中は怖いと思うので。ぬいぐるみを手に持って、顔の前で「アンパンマンがいるよ、大丈夫だよ」って和ませてあげる。

救急搬送された子供の不安を取り除くため、ぬいぐるみを手に持ち励ますという
救急搬送された子供の不安を取り除くため、ぬいぐるみを手に持ち励ますという

仲良し兄弟 願うことは同じ

鹿児島県大崎町にある米永兄弟の実家を訪ねた。家族みんな仲が良く、食事をしながら仕事の相談をするそう。

兄・米永勇貴さん:
仕事の話は毎回します。

弟・米永聖弥さん:
「こういう時、兄ちゃんはどういう活動をする?」とか勉強します。

父・浩幸さん:
すごく仲がよくて、こんなに仲が良くていいの?みたいな兄弟です。

母・昌代さん:
聖弥は勉強は得意でなかったですが、お兄ちゃんを目指して救命士になるって決めた時、本当に一生懸命、勉強を頑張り出して。みるみる成績が上がっていった。

救急救命士として奮闘する2人の兄弟。職場は違えど、2人が願うことは同じ。地域の安全だ。

兄・米永勇貴さん:
我々が現場に赴くことがないのが一番ですが、現場に赴いた時には、私の名前を覚えてもらえるような、市民と顔の見える関係も築いていけたらと思って祈願している。

弟・米永聖弥さん:
今日も救急がありませんように、苦しむ人がいませんようにと願っています。

2人にはお兄さんがいて、大崎町役場で現在、消防の担当をしているという。救急救命士の兄弟は切磋琢磨しながら日々、命と向き合っている。

(鹿児島テレビ)