先週、鹿児島県内に上陸し猛威を振るった台風12号の被害についてお伝えします。
南薩を中心に現在までに100戸を超える住宅の浸水被害が確認されています。
その爪痕はいまだ各地に残されたままです。
鹿児島県南九州市川辺町本別府にあるリバーバンク森の学校です。
学校跡地を利用し、自然体験や音楽イベントなどを行う施設ですが、校庭には台風の大きな爪痕が残されていました。
林佳伸記者
「こちらの自然体験施設の校庭では長さ20m、深さ10mほどの大きな陥没ができています」
校庭のえぐれた部分にはまだ水が流れ込んでいて、電気の配線や配水管もむき出しの状態となっていました。
リバーバンク森の学校 管理人・上堂泰輔さん
「ここまで大きな土砂崩れ、陥没は今までなかったので我々としても想定外ではあります」
現時点で復旧のめどは立っておらず、8月予約していた利用者には、キャンセルの対応を行っているということです。
一方、こちらは鹿児島県南さつま市加世田の内山田地区の24日の様子です。
崩れた川の護岸に、流木がひっかかったままの橋、復旧作業が進まず手つかずの状態となっている場所が至る所にありました。
南さつま市では住宅の被害も相次いでいて、県のまとめでは県内で100件以上報告されている浸水被害のうち、実に7割が南さつま市に集中しています。
加世田川の氾濫により、多くの住宅が浸水被害を受けた西尾集落では消防により8人が救助されました。
この場所を訪れると、泥水につかった家財道具などが道路を埋め尽くしていました。
復旧作業が進められていたこの住宅でも畳が浮くほどの浸水で、女性1人が救助されたということです。
被災者の親族
「ホッとしました。命にかかわるという怖さがあった。本当に消防の方々に感謝です」
「直接的に大きな被害を受けていない方々が集まって、畳などが手に負えなくて。そういったところも一緒に運んでくれてとっても助かった」
地区の公民館も床上浸水の被害を受け、畳や黒板などが外に運び出されていました。
西尾自治会長・木佐貫択朗さん
Q.復旧のめどは?
「まだまだ先ですね。まだ濡れてますので。それが(床)乾いたら消毒とかしてできるんですけど。いつなるかというのはわからない」
南さつま市では台風12号の被害を受けて25日、社会福祉協議会に「災害ボランティアセンター」が開設されました。
25日からボランティアの受付が始まっていて、本格的な活動は26日から行われる予定です。
台風12号の爪痕がいまだに多く残される南薩。
復旧には長い時間がかかりそうです。