河本千奈ちゃん(3)がバスに置き去りにされた事件で、幼稚園が初めて会見を行い謝罪した。
一方で、園長が亡くなった女の子の名前を何度も間違える場面があった。

バス運転の園長が謝罪「安全管理ができていなかった」

7日午後3時、園児置き去り死事件が起きた静岡県牧之原市の川崎幼稚園で初めて記者会見が行われた。

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川崎幼稚園 増田園長:
まずは亡くなられた園児およびご遺族に心よりおわび申し上げます。

冒頭、謝罪の言葉を口にしたのは、事件当日送迎バスを運転していた増田立義園長(73)。事件後、初めて公の場で謝罪をした形だ。

川崎幼稚園 増田園長:
このような大変悲しい事故が起こってしまい、その原因が我々の安全管理がきちんとできていなかったという点にあったということをきちんと受け止めて、まずは原因の究明に努めてまいりたいと思っております。

原稿に目をやりながら、安全管理に不備があったことを認めた増田園長。

送迎に「不慣れだった」と釈明

その後の質疑応答で園児を降ろす際、人数を確認しなかった点を問われた増田園長は、送迎に「不慣れだった」と釈明した。

川崎幼稚園 増田園長:
運転をするというのが不慣れだったというのが一つの原因だと思います。

記者:
運転することに不慣れだった?

川崎幼稚園 増田園長:
いやそうじゃなくて、普段のバスの運転をするということがそんなにないものですから、バスの運転手さんには(確認しろと)言っているんですけど、言うだけであって不慣れだったなと。

水筒は空っぽ…「あの暑い中、あの中にいて、本当にかわいそうだった」

そして、5時間にわたって置き去りにされ、命を落とした河本千奈ちゃんへの思いについても質問が飛んだ。

記者:
「バスの中で千奈ちゃんの水筒が空っぽだった」と聞いているが、それについてどのように感じるか?

川崎幼稚園 増田園長:
あの暑い中、よくあの中にいて、本当にかわいそうだったなというふうに感じております。

千奈(ちな)ちゃんを“ちなつちゃん”言い間違えか

会見では、千奈ちゃんの名前を言い間違えているように聞こえる場面もあった。

川崎幼稚園 増田園長:
“ちなつちゃん”がどの子というのは、僕自身、まだ入園して間もないものですから、担任からは「この子が“ちなつちゃん”だよ」とは聞いていませんけれども。

千奈ちゃんを“ちなつちゃん”と言っているように聞こえる。

さらに過去の送迎バスのトラブルが過去にどの程度あったかを問われた際には、いらだちを見せる場面もあった。

川崎幼稚園 増田園長:
約40年近くバスの運行をやってるんですよね。ですから、たぶんお宅(質問者)が生まれた頃にはバスは動いていたと思います。ですから、何件と言われても、それはちょっと私も把握できません。

保護者会で怒号「ふざけんな」 女児父親は涙ながらに…

記者会見に先立ち、今日の午前中には保護者に向けた説明の場が設けられた。保護者会では、幼稚園側から安全管理に関する説明などが行われた一方、保護者側からは園の姿勢を非難する声が上がった。

保護者とみられる声:
逃げようとしています。まだこの時点で。ふざけんなと悔しくてたまりません。

この保護者会には千奈ちゃんの父親も出席。当日、千奈ちゃんがどのような状態で搬送されたかなどを涙ながらに訴えたという。

そうした中で、出席していた保護者と園の職員合わせて13人が体調不良を訴え、救急搬送された。過呼吸の症状などが見られたという。

浮かび上がるずさんな管理体制。増田園長は兼務している学校法人の理事長と園長の職を近く辞任するとしている。

(「イット!」9月7日放送)