FNNが実施した世論調査では、岸田内閣の支持率は、2021年10月の政権発足以来最低となった。そして、旧統一教会への対応や、銃撃され亡くなった安倍元首相の国葬について、年齢の高い世代ほど、厳しい評価をしていることがわかった。
岸田内閣の支持率 発足以来最低
FNNは、8月20・21日の両日、全国の18歳以上の男女を対象に、電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し、1,178人から回答を得た。
岸田内閣を「支持する」は過去最低の54.3%。「支持しない」は40.3%だった。
この記事の画像(5枚)“統一教会”対応 高齢世代ほど「評価しない」
内閣改造の際、岸田首相は、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係を自分で点検して見直すよう求め、了解した人を任命したとしている。こうした岸田首相の対応を「評価する」は38.6%、「評価しない」は54.1%だった。
これを年代別に見てみると、
18歳~20代 :評価する57.9% 評価しない31.5%
30代:評価する53.4% 評価しない34.0%
40代:評価する44.2% 評価しない52.9%
50代:評価する37.3% 評価しない59.1%
60代:評価する25.6% 評価しない68.5%
70歳以上:評価する25.1% 評価しない66.2%
「評価する」が最も多かったのは20代で57.9%。30代までは「評価する」が半数を超えていたが、40代以降は逆転し、「評価しない」が半数を超えた。「評価しない」が最も多かったのは60代で68.5%だった。
岸田首相の旧統一教会に関する対応について、年齢の高い世代ほど、「評価しない」と考えている傾向が明らかになった。
この背景には、旧統一教会の霊感商法が問題視され、合同結婚式が大きな話題となった1980年代から90年代にこの問題を認識していた世代に、今回明らかになった旧統一教会と政治の関係を問題視する人が多いということが考えられる。
安倍元首相の国葬 高齢世代ほど「反対」
一方、政府が安倍元首相の葬儀を国葬で行うことについて、「賛成」が40.8%、「反対」が51.1%だった。
これを年代別に見てみると、
18歳~20代:賛成60.0% 反対31.4%
30代:賛成62.0% 反対28.0%
40代:賛成38.9% 反対52.6%
50代:賛成34.9% 反対57.6%
60代:賛成34.4% 反対58.1%
70歳以上:賛成28.4% 反対64.2%
20代、30代では、安倍元首相の国葬について、6割が「賛成」している。しかし、40代以降は、「反対」が半数を超え、70歳以上では反対が64.2%となっている。
国葬についても、若い世代ほど「賛成」が多く、年齢の高い世代ほど「反対」が多いことがわかった。
そして、旧統一教会も国葬も、30代までの世代と40代以降の間が、評価の分岐点となっていた。
松野官房長官は22日の会見で、「世論調査に現れた国民の声を真摯に受け止め、政府としての対応に生かしていくことが重要だと考えている」と述べた。また、安倍元首相の国葬については、「国民一人一人に対して、喪に服することや政治的評価を求めるものではないことをしっかりと説明していきたい」などと述べ、理解を求めた。
世論の厳しい評価に、政府内からは「今は耐える時期です」との声ももれる。
岸田政権の行方を左右しかねない問題だけに、今後の対応が注目される。
(フジテレビ 報道局政治部 編集委員 三嶋 唯久)