Q:物価高などを受けて、野党などから、消費税を減税するよう求める声が出ています。あなたは、消費税の減税に賛成ですか、反対ですか。
賛成           68.0%
反対                       28.0%
わからない・言えない 4.0%

物価高対策やトランプ政権の関税措置を受けて注目を集める消費税減税をめぐる議論。

4月19日・20日実施したFNN世論調査(全国の18歳以上の有権者1015人の電話調査)で、消費税減税に「賛成」と答えた人が68%、「反対」と答えた人は28%だった。

年代別に見ると、「賛成」と答えた人は、18・19歳と20代で87.0%、30代で72.5%、40代で74.2%、50代で63.1%、60代で63.1%、70代で58.6%。若年層の「賛成」が目立つ。

自民党支持層では、「賛成」49.4%、「反対」46.1%と賛否が分かれた。

公明党支持層では、「賛成」70.6%、「反対」27.3%。

立憲民主党支持層では、「賛成」57.4%、「反対」35.5%だった。

野党で強まる消費税減税論

消費税減税をめぐっては、国民民主党が、消費税率を一律5%に引き下げるべきだと主張している。

日本維新の会は、2年間の食料品の消費税率0%を主張し、関税・物価高騰対策として政府に要請した。

共産党は、消費税率の一律5%への引き下げを盛り込んだ経済対策をまとめた。

また、立憲民主党では、「食料品税率ゼロ」や「一律5%」など、消費税減税を求める声が勢いを増している。立憲の野田代表は、民主党政権時代の2012年、首相として消費税増税を進め、小沢一郎衆院議員らが反発し党が分裂した。現在党内で減税の是非の議論が進められているが、野田代表が20日、記者団に対し、「プロセスを粛々とたどって決める時は決める」と述べた。今後の党内議論の行方が注目される。

一方、与党では、公明党の斉藤代表が11日の会見で、消費税減税や所得税減税など「あらゆる選択肢を検討している」と述べた。

自民党内では、夏の参院選への危機感から、参院の一部などから消費税減税の検討を求める声も出ている。

石破首相は消費税減税「適当でない」

消費税減税について石破首相は1日の会見で、「税率の引き下げということは適当ではないと考えている」と述べ、きっぱりと否定した。さらに石破首相は「消費税は全世代型の社会保障を支える重要な財源で、これは全額が社会保障の給付に充てられる。これが減ってしまったらどうするのか」と強調した。

さらに石破首相は、21日の参院予算委員会でも、れいわ新選組から消費税の廃止や5%への減税を求められ、「急速な高齢化に伴い、社会保障給付が大きく増加するという状況だ。廃止や引き下げは適当ではない」と答弁した。

政府高官は「下げるのは簡単でも、上げるのはその何百倍の力がかかる。軽々にやることではない」と話す。政府与党には、消費税率を一度引き下げたらもう引き上げられないとの懸念が強くにじむ。

夏の参院選に向け与野党の攻防過熱か

夏の参院選を前に、野党が消費税減税の主張を強め、与野党の攻防が過熱する可能性が想定される。

政府与党は、物価高対策などとして、所得制限をつけず国民に一律現金を給付する案を検討した。しかし、野党の「バラマキ」批判や世論調査の結果を受け、見送る方向となった。

今後、国民の現在の生活と将来の生活の両方を見据えた、与野党の真摯な消費税議論に期待したい。
(フジテレビ報道局政治部 上席解説委員 三嶋 唯久)

三嶋唯久
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フジテレビ報道局政治部 上席解説委員・政治担当。
細川連立政権から政治取材を開始。官邸、自民党、野党、防衛省などを担当した後、デスクをつとめる。FNN世論調査も担当した。他に、政治討論番組「報道2001」「新報道2001」のプロデューサーなど。「FNNプライムオンライン」発足時はゼネラルプロデューサーをつとめた。

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日本の将来を占う政治の動向。内政問題、外交問題などを幅広く、かつ分かりやすく伝えることをモットーとしております。
総理大臣、官房長官の動向をフォローする官邸クラブ。平河クラブは自民党、公明党を、野党クラブは、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会など野党勢を取材。内閣府担当は、少子化問題から、宇宙、化学問題まで、多岐に渡る分野を、細かくフォローする。外務省クラブは、日々刻々と変化する、外交問題を取材、人事院も取材対象となっている。政界から財界、官界まで、政治部の取材分野は広いと言えます。