捨てられるはずのものに新たな価値を加え、生まれ変わらせる取り組みに注目。取材班が訪れたのは、宮崎県都城市にあるセレクトショップ「aitena(アイテナ)」だ。

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有馬理恵リポーター:
さまざまなバッグ類が並びます。どれもシンプルでスタイリッシュなデザインです

並んでいるのは、涼し気なバッグにサコッシュ。袋の口を巻いて留めれば、カバンに変身するロールバッグ(2860円~)も。軽くて耐水性があるので、レジャーでも大活躍しそうなアイテムだ。

これらの製品、何で作られているのかというと…

製作過程で生まれる“端材”は廃棄に

河宗・河野芳輝 社長:
建築現場などで使われるシートです

都城市に本社を置く「河宗」。産業用のシートを加工し、販売している。主に建築・土木現場や畜舎などで使われるシートで、メッシュや防炎タイプなど、素材や色もさまざま。100種類以上を扱っている。

そして、その製作過程で生まれるのが“端材”だ。

河宗・河野芳輝 社長:
今までは、リサイクルに回すことができないので、全て産業廃棄物として、ひと月数十万かけて廃棄していました。再利用ができるようなことがあればいいなと思っていたんです

廃棄されていた“端材”を活用 価値ある商品に

こうした「端材」を有効活用しようと活動しているのが、三股町社会福祉協議会の「キママプロダクツ」だ。

三股町社会福祉協議会・坂元真由美さん:
元々建築などに使われる資材なので、丈夫で耐久性もあり防水性にも優れているので、普段使えるバッグ類にも使えると思い製品化しました

縫製するのは、地域の人たち。働く場も生まれている。

このように、廃棄されるはずのものから価値ある商品を生み出す取り組みは「アップサイクル」と呼ばれている。

キママプロダクツでは、アップサイクル事業を2022年4月にスタート。収益を地域活動に充てている。

「こんなのが欲しいな」という思いから生まれたデザインは、約20種類。
ティッシュを入れて使う、サコッシュならぬ「ティコッシュ」も。

子どもとのお出かけに、両手が空くのはうれしい。ティッシュがすぐに取り出せる
子どもとのお出かけに、両手が空くのはうれしい。ティッシュがすぐに取り出せる

三股町社会福祉協議会・坂元真由美さん:
ティッシュをそのまま入れています。子どもと出かけるときに大量にティッシュやウェットティッシュを使うので、両手が空いて、かわいく使えるものがほしいと思って製作しました

大きなタイプも人気だ。マチを広くとり自立するため、物を出し入れしやすいのがポイント。

スポーツやレジャー用品入れに、雨の日は自転車に乗るときの荷物入れに。使わない時は畳んでしまえる。

三股町社会福祉協議会・坂元真由美さん:
手作業なので生産もやっとですが、有効活用することで新しいビジネスや職場も生まれるので、いいなと思います

ゴミになるはずのものが、価値あるグッズに生まれ変わるアップサイクル。SDGsにもつながる取り組みだ。

【キママプロダクツ】
宮崎県三股町社会福祉協議会内
TEL:0986-52-1246
アドレス:kimamaproducts@gmail.com

(テレビ宮崎)

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