35度を超える猛暑日が相次ぐ、2022年の夏。
3年ぶりの行動制限のない夏休みを迎え、車で外出するという人も増えている中、注意しなければいけないことがあるといいます。

それは、車内に鍵がある状態で誤ってドアがロックされる「キー閉じこみ」です。

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JAF(日本自動車連盟)がお盆休みを前に公表したのは、2021年8月に発生した“子供やペットが車内に取り残されたままのキー閉じこみ”件数。

わずか1カ月で、全国で99件(子供:63件、ペット:36件)。このうち、生命に危険を及ぼす影響が高いと判断され、ドアガラスを割るなどして救出したケースは9件ありました。

母親が語る「キー閉じ込み」の恐怖 ほんの一瞬の“うっかり“が命取りに

車内熱中症になる危険性が非常に高い「キー閉じ込み」。
めざまし8が取材したのは、子供が「キー閉じ込み」で車内に閉じ込められてしまった経験がある、大阪府に住む母親です。

「キー閉じ込み」が起きたのは2021年、当時3歳だった子供を連れて、家族で動物園に出かけた道すがらのことでした。

母親:
コンビニに寄って、私と子供だけ、車の鍵を預かって車に戻って。
子供をチャイルドシートに乗せるときに、「車の鍵を持たせたまま」チャイルドシートのシートベルトも全部つけて

うっかり、子供が「車の鍵」を持ったままの状態に。
ドアを閉めて、車の反対側に回り込み、自分も乗車しようとしたところ、ドアが開きません。

3歳の子供が誤って“施錠ボタン”を押してしまい、中から鍵がロックされてしまったのです。どうすればロックを解除できるのか、3歳の子供には理解できません。

母親:
こっちは手の施しようがないというか、窓もドアも閉まってしまってるんで。ちょっとでも、なでたり抱きしめたりして安心させられる術があったらいいですけど、外から声かけているだけで

なんとか我が子を助けなければ…
そんな思いから母親が手に取ったのは、同行していた母が持っていた、別の車のスマートキーでした。

母親:
実家の車のリモコンキーもあって、それを借りて、窓越しに子供に見せて「開けるボタン押して」って必死に伝えました

車の窓越しに、解錠の仕方を教えること5分。子供の手が、解錠のボタンに…

なんとか無事ドアのロックは解除され、事なきを得ることができました。

母親:
春先だったので、肌寒いぐらい。曇り空だった気がするんですけど。そんなにめっちゃ寒いとかめちゃくちゃ暑いとかでもなかったので。
(もし夏だったらと)もう想像しただけで怖い

わずか15分で車内温度が急上昇「人体にとって危険なレベル」

JAF(日本自動車連盟)が行ったテストでは、室温25度の車を気温35度の炎天下に置いた場合、窓を閉め切った状態にすると、わずか10分で車内の温度は37.8度に。

さらに、エンジン停止後わずか15分で、人体にとって「危険」なレベルに達してしまいます。

JAFはめざまし8の取材に対し、車種によっては解錠に1時間から2時間かかることもあるため、子供やペットが車内にいて“閉じ込み”をしてしまった場合は、JAFに連絡するとともに、すぐに消防に連絡し窓を割るなどして、命を最優先してほしいと話しています。

命に関わる可能性もある夏場の“キー閉じ込み”。車を離れる際は、車の鍵を決して手渡さないように注意してください。

(めざまし8 8月16日放送)