私たちを悩ませる海の厄介者、クラゲ。刺されると強い痛みがあり、呼吸困難など重篤な症状が出ることもある。刺された時の正しい対処法とは?

クラゲが海に出てくるのは3月から

新型コロナウイルスへの感染対策をとり、2022年は多くの海水浴場が海開きをしている。待ちに待った海水浴と胸を弾ませている人も多いが…。

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中道詩織アナウンサー:
海で注意が必要なクラゲは8月中旬、お盆過ぎから出てくるというイメージがありますが、実はもうこの時期から注意が必要なんです

福井市にある「くにみクラゲ公民館」の館長で、クラゲに詳しい田中俊之さんに聞いた。

くにみクラゲ公民館 田中俊之館長:
クラゲ自体は3月から出始め、夏くらいまで海にいる。福井市内ではミズクラゲ、アカクラゲがたくさん出る。お盆前に出るカギノテクラゲは毒を持っている

クラゲに刺されたら「安静にして触手を取り除く」

もし刺された場合、どのように対処すればよいのか。福井県皮膚科医会会長で石黒皮膚科クリニックの石黒和守院長に聞いた。

石黒皮膚科クリニック 石黒和守院長:
刺されたら、すぐ海から上がり安静にする。大丈夫なら刺された部位を見て、もし触手が取れるようであれば手袋をつけて取る。ピンセットがあればなおいい。取れないときは無理せず洗い流す

ここで問題。クラゲに刺された場合、触手を洗い流すのに最適なのは何か?
(1)真水(2)海水(3)お酢

正解は「海水」だ。

石黒皮膚科クリニック 石黒和守院長:
海水は浸透圧が同じなのでクラゲに刺激を与えない。真水だと浸透圧が違うため、小さな毒針が破裂して毒素が回る恐れがある

石黒皮膚科クリニック 石黒和守院長:
ちまたで効果があるとされている酢は、沖縄のハブクラゲには有効。ただ他のクラゲではかえって悪化することがあるので、むやみに酢はかけないでほしい

呼吸困難など重い症状も 刺されないためには

海水で洗い流した後は、患部を冷やすことが重要。氷など冷やすものがなければ、冷たいペットボトルなどでも代用が可能だ。

ただ、重い症状が出ることもある。くにみクラゲ公民館の田中俊之館長は、クラゲに刺され重い症状に陥った経験があるという。

くにみクラゲ公民館 田中俊之館長:
カギノテクラゲに刺された時は、吐き気とめまいで30分ぐらい横にならないといけなかった。じんましん、体中が腫れたり呼吸困難になったり…。そういう症状も過去にはあった

石黒皮膚科クリニック 石黒和守院長:
アナフィラキシー(激しい急性のアレルギー反応)が一番怖い

石黒皮膚科クリニック 石黒和守院長:
ハチ刺されと同じようにショックを起こす場合もあるし、全身にじんましんが出て、皮膚症状としては唇が腫れる、目が腫れる。のどが息苦しいといった症状の場合は、救急車を呼んでほしい

なんといっても、まずは刺されないように予防することが重要だ。

石黒皮膚科クリニック 石黒和守院長:
はだしでむやみに海辺を歩かない。死んだクラゲでも触ると皮膚炎を起こすので、サンダルなどを履いてほしい。海に入る際、できればラッシュガード(水着の上に着るスポーツウェア)など予防できるものをつけてほしい

(福井テレビ)

福井テレビ
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