夏に向けて増える、「虫刺され」。かゆみに悩まされる蚊が代表的なケースだが、中には命の危険を脅かす虫刺されもある。病院受診の目安や、とっさの対応法などを専門医に聞いた。

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ハチに刺されたら「水で流す」

間もなく夏本番。気温も上がり、アウトドアを楽しむ人も増えてくるのではないだろうか。そんな時に増えてくるのが、虫刺されだ。
夏場の虫刺され対策について、福井赤十字病院 皮膚科の加畑雄大医師に話を聞いた。

福井赤十字病院 皮膚科・加畑雄大 医師:
レジャーなどで屋外に出たり、薄着になったりする季節は虫に刺される回数増える。虫刺されの中でも、ハチやアブは刺されると強い痛みを伴う。マダニは感染症を媒介することもあり、注意が必要

まずは強い痛みが生じるハチについて。痛みだけでなく、命を失う危険性も潜んでいるという

福井赤十字病院 皮膚科・加畑雄大 医師:
痛みと共に、刺されたところが赤くはれて熱を持ち、痛痒さを感じるようになる

福井赤十字病院 皮膚科・加畑雄大 医師:
複数個所を刺されると、その毒によって中毒を起こす。血圧が下がって意識が遠くなったり、息が苦しくなったり息が止まったりと、時には致命的な症状が生じるので注意が必要

ハチに刺されてしまった場合の対処は「水で洗い流す」こと。患部を水で洗い、清潔に保つ。ハチの毒は水に溶けやすい性質があるとともに、患部を冷やすことで腫れや痛みを緩和させる効果がある。

その後は激しい運動などは避け安静にする。

マダニに噛まれたら「無理に取らない」数日後の発症にも注意

一方で、シカやイノシシなどが生息するような山や、畑に多くいるといわれているマダニ。どのような点に注意すればよいのだろうか。

福井赤十字病院 皮膚科・加畑雄大 医師:
この虫は服の隙間から侵入して体を登り、体の柔らかいところに食いついて血を吸う性質を持つ。一度食いつかれると、取るのがなかなか難しい。無理に取ると虫の口の一部が体の中に残ることもあるので、刺されているのに気づいたら、無理やり取ろうとせずに医療機関を受診する

マダニは感染症にも注意が必要となる。感染症は刺された直後より、数日たってから発症することが多いという。発熱や全身の倦怠感が出てきた場合はすぐに医療機関を受診することが大切となる。

そして何よりも、外出時に刺されないよう予防することが大切となる。

対策
・ハチ、アブ:長袖長ズボン着用
・ハチ:不用意に近づかない事が一番
・マダニ:市販されている虫よけスプレー
・ズボンのすそを靴下に入れるなどして物理的に入ってこられないようにする

虫刺され対策を万全に、アウトドアを楽しんでもらいたい。

(福井テレビ)

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