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「不謹慎」…中国で山上容疑者のフィギュア販売

半袖シャツに斜めがけのかばん。テープで巻かれた拳銃のようなものを手にして、太もものポケットが膨らんでいる様まで再現されています。

犯行当時の山上徹也容疑者を模したこのフィギュアは、事件3日後の7月11日、中国のインターネット上で販売されたといいます。

さらに、この画像の説明文には…

中国のSNSより:
64分の1スケール 武器は今後更新 現場のSPを数人追加

といった文章まで添えられ、日本円で約2600円の値がつけられていました。その後、銃を持った手を上げた、別バージョンのフィギュアも登場。

この動きに中国国内からは…

「本物にそっくり!」「亡くなった方に失礼だ」「不謹慎極まりない」などと、賛否の声が。

そして、このフィギュアの存在がインターネットで拡散されると、日本からも批判が殺到。ついには…

フィギュアを製作した会社:
日本の事件再現シリーズは生産中止!
ご迷惑をおかけしてどうかお許しください!
国際的な問題になってしまい、悪影響を与えたこと深くお詫びを申し上げます

と謝罪文を出し、この業者はフィギュアの生産中止を発表しました。

しかし、中国における山上容疑者に関する話題はフィギュアだけではありません。

イラストやコスプレも登場…背景に中国国内の政治への不満か

SNS上では、まるでアニメの登場人物のように描かれた山上容疑者のイラストや、山上容疑者のコスプレ動画まで投稿されているのです。

さらに中国の地元メディアによると、人民日報日本支局の記者が、自民党本部の献花台に花を供える画像と、哀悼の言葉をSNSに投稿したところ…

「なぜ自主的に献花しているのか」「国営メディアの記者として正しい行為なのか」などといった批判の声が多く寄せられ、炎上する騒ぎとなりました。

フィギュアにコスプレ…
中国のネット上で起きた、こうした山上容疑者をもてはやす動きの背景にあるのは、単純な反日感情だけではないとジャーナリスト・福島香織さんは指摘します。

ジャーナリスト 福島香織さん:
今の中国の共産党支配に、なんとなく不満を持っている。でも、あんまり大きな声で言えないネットのユーザー達というのが、やはりいるんですね。貧しい人が巨大な力を持つ政治家をやっつけたっていうことに対する羨望というか、共感というか、すごいなと

政治に対する不満があってもそれを自由に表現できない中国で、一部の若者達は自分の国に置き換えて、山上容疑者に憧れを抱いているというのです。
我々日本人には到底受け入れがたい不謹慎な行為ですが、その背景には単なる反日感情にとどまらない、複雑な感情が渦巻いているようです。

(めざまし8「#NewsTag」7月19日放送)