新型コロナウイルスの“第7波”が押し寄せる中、判断に迷うのが夏のマスク。

30代:
熱中症とマスク(コロナ)とで、気をつけなきゃいけないところがダブルであるので…

8月に千葉市内で開催される2つの“夏フェス”。「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」「サマーソニック」の各事務局は共同声明を発表。熱中症対策とし「基本的にマスクを外せるところではマスクを外す」ことを共通の方針とするとした。

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一方で、感染の急拡大は7月14日も全国規模で続いている。東京都では14日、新たに1万6662人の感染を確認。2日連続で1万6000人を超えた。

先週木曜日から約2倍に増え、27日連続で前の週の同じ曜日を上回った。

20代:
夏休みとかまたそろそろ来るから、それでもまた制限されてしまうのでは

沖縄県では過去最多となる、3565人の感染を確認。静岡県では2日連続で過去最多となるなど、これまでに9つの県で過去最多の感染者が出ている。全国の感染者は13日に続き9万人を超えた。

「BA.5」でワクチン接種済でも陽性者が増加

東京・杉並区のクリニック「たむら医院」では、14日、朝から多くの人が集まっていた。ここでは、通常の診察室とは別に、屋外の通路を臨時の“発熱外来”として対応にあたっている。患者数は先週比で2倍に増え、既にすべての患者を受け入れることができない状況だ。

今回の感染拡大で特徴的な点は“ワクチン接種済みの陽性者”が増えていることだという。

たむら医院 田村剛院長:
陽性者の中でワクチンを打っている方の割合がとても高いです。「BA.5」はワクチンによる抗体を持った人でもすり抜けて感染してしまうと

感染急拡大の要因とされる「BA.5」。厚生労働省の専門家会合は13日、「BA.5」に対するワクチン接種の発症予防効果が低いという研究結果を示した。

このままでは「経験したことのない爆発的な感染状況に」

14日午後行われた東京都のモニタリング会議では、“第7波”による驚くべき感染予測が示された。

国立国際医療研究センター 大曲貴夫 国際感染症センター長:
今回の増加比が継続しますと、1週間後には第6波のピークを越え、これまでに経験したことのない爆発的な感染状況になるといたしました

現在の感染状況が続いた場合、東京都における1週間後の感染者は、これまでで最も多い2万3253人に増加。2週間後の7月27日には、5万3482人にまで増える恐れがあるという。

こうした状況を踏まえ、4段階ある感染状況の警戒度は最も高い赤(大規模な感染拡大が継続している)に引き上げられた。赤に引き上げられるのは、4月21日以来となる。

小池知事:
急激な感染症の患者さんの数が増えていることは事実であります。戦略を明確にしながら、それの対応策を都庁全体で進めていきたい

夏休み前の提言案に疑問の声も

14日、政府の新型コロナ対策分科会は“第7波”対策のための緊急提言案をまとめた。社会経済活動が再開する中で“直ちに行動制限をとることは理解を得られにくい”と提言。

具体策としては、薬局で検査キットを簡単に買えるようにすること。また、マスク着用や3密の回避など基本的な感染対策の再点検や徹底など、5つの対策を挙げている。

一方で、旅行や帰省など、人の移動が増える夏休み前に示された提言案の内容には疑問の声も。

20代:
今までと一緒。変わらない

40代:
特に何も変わってないかなって正直思っちゃいます

10代:
(感染対策は)自分でできることはやらないといけないと思います

政府関係者からもさまざまな声が聞かれた。

政府関係者:
基本的な感染対策を行うということだけど、「国民に丸投げ」という感じがする。このままだと、かなりの感染者数になってしまう。国民が自ら行動自粛するのでは

岸田首相は14日に会見し、現時点で新たな行動制限はしないとの方針を示したほか、人の移動が増える夏休みの期間に、主要な駅や空港などで無料検査を実施することや、4回目のワクチン接種について医療従事者などに対象を広げることを表明した。

(「イット!」7月14日放送)