長野市の繁華街にできたカフェ。読書や勉強をするだけなら無料、持ち込みもでき、作品の展示や楽器の演奏もOKと、一風変わっている。客が自由気ままに過ごせる繁華街の「居場所」だ。

自由に、勝手に、ゆっくり過ごして

長野市の繁華街「権堂」
長野市の繁華街「権堂」
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商店や飲食店がひしめく繁華街「権堂」。アーケードを少し南に行った交差点の近くに、2022年4月にオープンしたカフェがある。

スタッフ:
(体重)どれくらい落ちた?

客:
6日で4.1kg

スタッフ:
このペースでいくと、半分になるのは1カ月半くらい

思い思いにくつろぐ客。一見、普通のカフェだが、名前に店の特徴が表されている。

社会福祉法人「森と木」・奥村和枝 副センター長:
本人の自由に過ごしてもらう。名前も「勝手堂」なので、自由、勝手に過ごしてもらうような場所

店の名は「ごんどう勝手堂」。コーヒーやカレーうどんを提供しているが、食品の持ち込みができ、何も注文せず読書や勉強するだけでもOK。

社会福祉法人「森と木」・奥村和枝 副センター長:
ちょっとこもるような場所があったりとか、一人ずつゆっくり過ごせる場所があります。ずっと読書をしてたりという人もいます

奥にはギャラリースペースがあり、客は自身が描いた絵や趣味で集めたフィギュアを展示できる。
アトリエとしても。この日はスタッフが…

社会福祉法人「森と木」・奥村和枝 副センター長:
自分も絵を描いているから飾りたいとか、歌をやっているから歌ってもいいかなとか、ここに集まってきた人が自分を表現する場所として、ここを使ってもらえれば。創作活動をしていただいたり、手芸をしたり、たまにギターを弾いてる人もいたりとか、いろんな人が自由な時間を過ごせるような場所、そういう風にしている

何かをしても、何もしなくても自由。
運営しているのは、障害者の就労支援や児童の発達相談などをしている社会福祉法人だ。
目指しているのは、人がそのままでいられる場所の提供。さまざまな人を支援してきた、これまでの活動の中から生まれたアイデアだ。

社会福祉法人「森と木」・奥村和枝 副センター長:
今、多様性とかも言われたりして、いろんな立場でいろんな背景を持っている人がいる。困ってたり、つまずいていたり、悩んだり、うまくいかなかったりとかいう人がいっぱいいる。そういう人たちの何か支援ができないかなと

さまざまな人が立ち寄って…「オアシス」のような場所

35歳:
200いくらって書いてあって買ったら、レジ行って430円くらい。ラッキーって思って買ったら、やっぱり高いのねと

昼時、コンビニ店で買った料理を持ち込んで食べる男性。複数の仕事をしていて、合い間の息抜きに来た。

35歳:
夕方から夜に、また仕事がある。それに向けてちょっとひと休憩みたいな。自分のいろんな所属があると思うんですけど、そのうちの一つ、いていい場所みたいな

こちらは飲食店を営む男性(34)。

飲食店経営・34歳:
(コロナで)なかなかお客さんが来なかったり、思うようにいかない部分がたくさんあった。そういう時に、休める場所というのが大事なのかなと。おしゃべりすることが多いので、それがリラックスに

会話を楽しみに来る人も多い。

74歳:
自宅でもあんまり(会話が)かみ合わないもんね。気楽にしゃべられるというのがいいんじゃないかね

カウンターで腹ごしらえをしているのは…

千福・千峰雄さん(2019年取材)
千福・千峰雄さん(2019年取材)

「コーヒーおいしいね」
台湾出身の千峰雄さん(81)だ。権堂界わいでは知られた顔の一人。アーケードでラーメン店「千福」を営んでいる。
刀削麺(とうしょうめん)も…。伝統の味と千さんの技で店は繁盛してきたが、コロナの影響で売り上げは減少。

千峰雄さん
千峰雄さん

ただ、最近また忙しさが戻ってきたと言う。ランチ営業と夜の営業の合い間に少し休憩だ。

千福・千峰雄さん:
すごく忙しい。ここ2、3日やっと落ち着いてきた。でもまた昼間忙しい、一服で寄ってきた。のんびりできて、コーヒーも安いし、トーストもおいしいし、毎日来たくなる。
(Q.夜も頑張れそう?)
頑張ります

さまざまな人が集い、働く繁華街。店は早くも「オアシス」のような場所になっている。

社会福祉法人「森と木」・奥村和枝 副センター長:
なんかちょっと疲れたときに、ここに来ておしゃべりしようかなとか、ちょっと休憩したりとか、ホッと一息ついて次の場所に行けるような、そんな場所になるといいかなと

(長野放送)

長野放送
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