私がお伝えしたいのは「大統領も言及するBTSの兵役問題」です。
世界的人気を誇るBTSが、グループとしての活動を一時休止することを発表したことで、韓国では再びBTSの兵役問題が議論になっています。
尹錫悦大統領は「世論が容認するなら、規定を国会で直すことになるだろう」と発言しました。
ポイントはこちら。「二分される世論で議論は進むのか」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
尹大統領は世論に従う考えを示した一方で、「私が今、先に言及する状況ではない」と慎重な姿勢も示しています。
現在の兵役法では、芸術やスポーツ分野で優れた成績を残した人は、兵役免除が認められています。しかし、大衆文化は対象になっていないため、このままだとBTSの最年長メンバーJINさん(29)は、2022年の年末までに入隊することになります。
韓国では国会議員が、BTSの活動休止宣言は「JINの兵役問題が主な理由」と主張し、法改正を呼びかけるなど議論が再燃しています。しかし、韓国では兵役に関して徹底して公平性を求める厳しい世論があります。特に若い男性は神経質です。
BTSの兵役に最も反対している20代男性は、尹大統領の大きな支持層でもあります。尹大統領が「世論に従う」と自ら議論を進めようとしないのは、そんな事情が絡んでいるとみられます。
2022年4月に行われた世論調査では、BTSの兵役免除について反対が36%に対し、賛成は34.6%と両者は拮抗しています(メディアリアルリサーチコリア)。
二分する世論がすぐにまとまるとは思えず、このままだと年末までにJINさんが入隊し、7人でのグループ活動は当面見られないことになります。
(FNNソウル支局 一之瀬登)