ラーメン専門店ではないが、メイン料理とは別に、ラーメンをメニューに加える店が今、愛媛県で増えてきている。“じゃない”店だから作れる、こだわりのラーメンを取材した。
専門店じゃないのに…8種類のラーメンメニュー ＆ 焼き鳥店ならではの味
愛媛県松山市余戸中の「ちかき」。炭火でじっくり焼いているのは、居酒屋の定番グルメのひとつ、焼き鳥だ。
鶏や牛などの串焼きを楽しめる専門店だが、ランチタイムにはメニューが一変する。
内木敦也アナウンサー：
メニューを見ると、まるでラーメン専門店というくらいにラインナップが豊富
2021年5月からラーメンメニューをスタートしたという。「炭火串焼ちかき」の近記正好 店長は「コロナ禍がきっかけでランチをするっていうので、僕が好きなラーメンをしたかった」と経緯を話す。
店長の近記さんは、もともと大のラーメン好き。現在、メニューには「家系」や「醤油」など、何と8種類ものラーメンが並んでいる。
中でも、自慢の一杯が「鶏白湯ラーメン」だ。鶏のうまみが凝縮された鶏白湯のスープには、焼き鳥店ならではのこだわりがたっぷり詰まっている。
炭火串焼ちかき・近記正好 店長：
丸鶏と小骨と、下にガラが入っているんですけど
厳選した国産の鶏を、火加減を調整しながらふつふつと、文字通り骨の髄まで煮込む。
その時間、何と9時間! すると、白く濁ってポタージュのようにトロトロになるという。
炭火串焼ちかき・近記正好 店長：
クリーミーで濃厚でまろやか
さらに白湯スープを泡立て乳化させることで、麺にもスープがまとわりつきやすく、まろやかさが出てトゲがなくなる。
鶏のおいしさを知り尽くした、焼き鳥店ならではの一杯だ。実際に食べてみると…
内木敦也アナウンサー：
スープが濃厚ですね。麺をつたってしっかり鶏のうまみが伝わってきます。(鶏チャーシューは)やわらかい。かめばかむほどに、スープもしみているので、うま味と鶏のうまさが絡みあって絶妙ですね
炭火串焼ちかき・近記正好 店長：
ラーメンの種類が結構多いので、「次はこのラーメンを食べてみたい」とか。どんどん楽しんでもらえたら
もつ鍋店の“いいとこ取り”つけ麺 焦がしネギが食欲をそそる
続いて、創業35年目を迎える、松山の老舗もつ鍋店「博多屋」。新鮮な国産もつ肉を、秘伝のしょうゆベースのダシで煮た「もつ鍋」が自慢だ。
2022年4月、大街道に新たな店舗「ダイニング博多屋」をオープンしたのだが、そこで楽しめるのが何と「つけ麺」。誕生のヒントとなったのは、店の名物料理だった。
元祖もつ鍋博多屋・石﨑智也 代表：
こちらが「焦がしネギ」になります。ホルモンと一緒にネギを炒めて、ホルモンのうま味を凝縮させたネギになります
「焦がしネギ」は、熱々の鉄板でモツ肉とネギを焼き上げる名物「にわか焼き」から生まれたオリジナルの薬味。
この「焦がしネギ」を使ったつけ麺とは？
つけ麺の「つけダレ」は、しょうゆベースのもつ鍋のだしの配合を変えて、濃厚ながらもあっさりな味わいに仕立てている。このタレに投入するのが、大量の「焦がしネギ」だ。
ダイニング博多屋・福森昭宏 店長：
焦がしネギを入れることで、こくというか深みが出ます
まさに「もつ鍋」と「にわか焼き」のいいとこ取り。それが博多屋のつけ麺だ。
ダイニング博多屋・福森昭宏 店長：
バーナーであぶると、脂が下に落ちてヘルシー。香ばしくなります
麺はスープとからむ「ちぢれ」と、食感を楽しめる「ストレート」の2種類からお好みで選べる。
内木敦也アナウンサー：
ボリュームがすごい。麺もさることながら、ドーンと鶏も乗っかっていて。
焦がしネギが入っているつけダレなんですが、香ばしい匂いもしています。最初はしょうゆのだしのスッとした感じなんですけど、そのあとすぐネギの香りがしてきますね。こくが広がる感じ。これが良いアクセントになってますね。
鶏チャーシューも、かめばかむほどに味が出てくる。ちょっと甘い感じがすごく良い
こちらの「つけ麺」は、ランチ限定。博多屋の「昼の顔」として、店も期待を込める自慢のメニューだ。
豚にかけて…進化を続ける 豚丼屋が作るラーメン
最後に紹介するのは、松山市の「問屋町バルズ」にある、炭火焼き豚丼の「にちょう」。厳選した国産の豚肉を、炭火でじっくりと焼き上げた「豚丼」は、甘味のあるしょうゆだれで、一度食べたらくせになるおいしさだ。
そしてこの店にも、ラーメンメニューがある。
バルズカンパニー・新玉直正 社長：
豚丼屋さんなので、豚にかけて豚骨ラーメンがいいんじゃないか。豚にはこだわりたいですね
「豚丼と一緒に楽しめる新たなメニューを」と、2021年12月から豚骨ラーメンがメニューに加わった。
チャーシューには豚丼のたれを隠し味に使うなど、豚丼店ならではのこだわりがしっかり入っている。
そんな、にちょうのラーメンがさらに進化中だという。
バルズカンパニー・新玉直正 社長：
これが味噌ですね
5月から新たに登場したのが「味噌豚骨」スープだ。ワンタンや味玉などのトッピングもできるようになり、メニューがパワーアップした。
内木敦也アナウンサー：
具だくさんですよ。ワンタン、いっぱい入ってますよ。おいしそう。最初は豚骨なのかなと思いきや、味噌が割ときますね。よりこくが深くて、まろやかな感じがします。
ワンタンは中から肉汁がぶわっと溢れだしてきました。また、これがスープと絡んで、よりおいしさが引き立っている気がします
バルズカンパニー・新玉直正 社長：
お昼にお食事に来た方も、夜に食事に来た方も、おなかいっぱいで満足して帰っていただける。みなさんにご利用いただけたらなと思います
（テレビ愛媛）
