2021年のインターハイ、レスリングで3位に輝いた愛媛県・八幡浜工業高校の女子選手。
この春に卒業して進路に選んだのは、大学に進んで選手を続けるのではなく、地元での指導者への道だった。

インターハイのレスリング3位が子どもたちに指導

岡崎花梨さん:
マット運動をします。先頭5人!1、2…並んで!

テキパキと子どもたちに指示を出す岡崎花梨さん(「崎」立つ崎が正式表記)。

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2022年の春、八幡浜工業高校を卒業して社会人になったのと同時に、八幡浜レスリングクラブでジュニア選手たちの指導者としての活動を始めた。

岡崎花梨さん:
練習中に今までできなかったことができるようになった子をみると、あー本当に教えてよかったなと

岡崎さんは小学生の頃からレスリングを始め、八幡浜工業高校レスリング部で、男子選手を相手に技を磨いた。高校3年のインターハイで3位入賞という実績から、複数の大学からの誘いもあったという。

地元への感謝とレスリング普及を目指す

岡崎花梨さん:
インターハイ3番になった時に(選手を)続けたいって思ったんですけど、それよりも私が今まで(恩師の)梅野先生に教えてもらってきたことを次の世代の子たちに教えて、レスリングが楽しいなと思ってもらえるような、そっちの方がいいかなと思って指導者の道を選びました

地元に残る道を選んだ岡崎さんは、八幡浜市に本社のある建設会社に就職した。高校で学んだ知識を生かして、一人前の「土木施工監理技術者」を目指して道路の建設現場で働いている。

岡崎花梨さん:
今、自分は測量やっているんですけど、日々変わっていく現場をみるのはすごく楽しいです

岡崎さんの上司 堀田建設土木部・大塚洋介次長:
レスリング出身ということでやる気もあるし、パワーもありますし、土木にはもってこいだと思います

岡崎花梨さん:
大塚さんのような一人で現場をまかせられる人になるのが、今の私の目標です。ありがとうございました…こんなんでいいですか!

持ち前の明るさで、年上の男性ばかりの現場にもすぐになじみ、充実した毎日を過ごしている。

仕事で疲れていても練習が楽しみだという岡崎さん。周りには子どもたちが集まってくる人気者だが、練習が始まると…

岡崎花梨さん:
こら!遊ばない!ちゃんと見よって!

岡崎花梨さん:
相手のレスリングを見て感じる部分もあると思うので、周りで騒いでいたり遊んでいたりしたら、「そこダメだよ」とちゃんと注意してあげるのが大事だと思うし

八幡浜工業高校と兼務で指導している恩師の梅野貴裕さんも、教え子に全幅の信頼を寄せている。

八幡浜レスリングクラブ・梅野貴裕監督:
本当に助かります。もうすでに。この間まで高校生としてバリバリやっていたとは思えないぐらい、すごい指導が上手だなと思います

岡崎花梨さん:
教えてくだっている先生や親、地域の方々に支えてもらってレスリングができているんだよということを、そういう感謝の気持ちとかも人間性としても成長してほしいなと思っているので

“感謝を忘れず”
支えるのは、地元への感謝の思い。
仕事との両立を図り、子どもたちの笑顔にパワーをもらいながら、普及に力を注ぐ…岡崎さんの第二のレスリング人生は始まったばかり。

(テレビ愛媛)

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