俳句のコンテストの高校の部で、愛媛・今治市の高校生が日本一になった。
その句は、アナログでデジタル、そして「青」。感性が審査員から「大会の収穫」と絶賛されている。
新俳句大賞の発表:
高校生の部大賞は、愛媛県今治市・馬越大知さんの作品「君の青を枯野に転写してくれないか」。おめでとうございます

審査員・黒田杏子さん:
涙が出るほど感動しました。この俳句大会の収穫だと思います

俳句コンテストで審査員から大絶賛。高校生日本一に輝いた感性の持ち主は…
馬越大知さん:
結構、見慣れてるんですけど、でも、俳句部に入って見慣れた光景っていうのも当たり前じゃないみたいな。でも、その中でも自分の海とか自分の中の風景なんだっていうのを改めて感じました

みずみずしく鋭い感性…心にはいつも「青い海」
今治西高校伯方分校の3年生・馬越大知さんは、10月に開かれた伊藤園主催の新俳句大賞の高校生の部で、全国から集まった約86万句の中の頂点に輝いた。

島で生まれ育まれた心にいつもあるのは、青い海だという。

馬越大知さん:
(大賞を受賞して)自分も何か成長できたんかなみたいな。高校3年間、この学校に来て良かったなって思えた瞬間でした

馬越さんは学校では俳句部に所属し、2021年の俳句甲子園でも個人の部で優秀賞を獲得。
みずみずしく鋭い感性が、高い評価を受けている。

俳句部の後輩・馬場叶羽さん:
感覚として、大知さんしか切り取れないような、そういった部分を切り取って句にするので、そういった意味で勉強になったり、すごいなと感心したりすることが多くあります
俳句部の指導者・白石司子さん:
(馬越さんは)感性のかたまりみたいな子です

“君”に句をささげ…「一緒に笑いあって」
その馬越さんが、大賞を受賞した句「君の青を枯野に転写してくれないか」に込めた思いは…
馬越大知さん:
「枯野」っていうのは、言ったら自分の(寂しい)心の内とか、そういう心象風景みたいなものを表していて。「君」っていうのが、自分が好きな人とかそういったものを象徴するような、そんなもので

馬越大知さん:
そんな人の「青春」っていうものを、自分の中とか、「枯野」自身にも「転写」してほしいなっていう、そういった気持ちを込めて作った句です

馬越さんの「君の青」については…
馬越大知さん:
「君」っていうのは、本当にその人が今この高校にいるとか、そういうのじゃないんですけど…。君っていうのができた時は、この句をささげて、一緒に笑いあって過ごしていきたいですね

馬越さんに「君の青」が転写された時、心に宿る島の青い海は、さらにきらめき、よりすてきな俳句が生み出されるだろう。
(テレビ愛媛)