新型コロナウイルスの感染拡大から2年余り。「マスク着用」は、私たちの日常の光景となった。
ただ、国は5月20日にマスクについて新たな指針を発表。人との距離など一定の条件を満たした場合、「屋外でのマスク着用の必要はない」としている。
新たに示されたこの指針は正しいのか。また、今後 私たちは生活で何に気をつければよいのか。感染症の専門医に聞いた。
「国が明言したら外す」他者の目が気になる声も
厚労省は5月20日、「マスク着用の考え方」を発表した。
屋外については
・2メートル以上の距離が確保できる場合
・会話がほとんどない場合
…は、「マスク着用の必要がない」としている。
県民A:
普段から、外ではほかに人がいなければ状況をみて、マスクを外している。子どももそう
県民B:
国がマスクの脱着について、明言してくれたほうが外しやすい
屋外でマスクを外すことを認める国の指針について、福井大学医学部(感染症専門医)の岩﨑博道教授に聞いた。
福井大学医学部・岩﨑博道教授:
マスクは感染した人が、他の人にうつさないための道具。一斉にマスク議論が始まっているが、「会話の際のマスク着用」で議論は全て終わると思っている
そもそも“屋外マスク”必要だったのか?
感染対策として、私たちが2年余り続けてきた「屋外でのマスク着用」。それは必要だったのかを聞くと、意外な答えが返ってきた。
福井大学医学部・岩﨑博道教授:
屋外でマスクはいらないでしょ、と常に僕たちは言ってきた。ある程度距離があり、大声で話さなければ、飛沫は風で流れてしまう。だから感染リスクは非常に低い
ただ、医学的には正しくても、私たちの行動には「気持ち」が大きな影響を与える。その一つが「同調圧力」だ。周りの人が着用しているから、自分の意識に関わらずマスクを着用する。このような行動をとる人が多い。
県民C:
今すぐにはマスクを外そうとはならない。ほかの人がしているから
県民D:
他人の目が気になる
「屋外の体育はマスク不要」…学校で変化も
一方、感染力は強いが重症化率は低い「オミクロン株」への置き換わりが進んだことで、学校では変化が現れている。
特に、子どもは感染しても重症化するリスクは低いとされる。岩崎教授は、屋外での体育ではマスクは基本、必要ないと話す。
福井大学医学部・岩﨑博道教授:
屋外での体育では、クラスターが起きることは考えにくい。体調不良なら休みにするなど、必要に応じてマスクを着用すればいい。感染対策はマスクが全てではない。何十種類もあるうちの1つがマスクというイメージ。その他の対策も積み重ね、話すときはマスクをしようという意識が大切
ワクチン接種やうがい・手洗いなど、感染予防の努力を、今後も個人個人で続けることが必要と訴える。
福井大学医学部・岩﨑博道教授:
県内では、1日300人ほど陽性者が出ている状況が続く。自分が感染しているかもしれないという配慮のもとで、マスクをする。マスクはうつさないための道具だということが大事となる
(福井テレビ)