ドイツ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフでプレーするサッカー日本代表の田中碧(あお)、23歳。田中のドイツ生活に独占密着すると、そこには海外生活を支える“かけがえのない存在”があった。

日本代表の救世主・田中碧

田中は東京五輪では中盤の要として全試合にスタメン出場し、日本のベスト4進出に大きく貢献。さらに2021年10月のW杯カタール大会アジア最終予選では崖っぷちの状況の中、強豪オーストラリアを破る劇的ゴールを決め日本の救世主となった。

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現在はドイツ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに所属し、6日の今季のホーム最終戦では攻守にわたるアグレッシブなプレーでチームの勝利に貢献した。

ドイツ生活をサポートする母

そんな田中とドイツで共に暮らし食生活を支えるのが、母・知佐子さんだ。ドイツにいてもその食卓に母の味が並ぶ。この日のメニューはチキン南蛮、サラダ、お味噌汁、ごはん。知佐子さんは言う。

「ほんとにおいしかった時は、ひと言『うまい!』って言うだけなので、『うまい!』を狙って日々頑張っています」

2021年6月、川崎フロンターレからドイツに移籍が決まった時に単身で行くかを悩んでいた田中に歩み寄ったのは母の方だった。

「海外に挑戦することは並大抵ではないと思いました。言葉もしゃべれないし、トップを目指しているのにサッカー以外のことに力を使うのは違うのかなと。そんな甘くないと思ったので私たちからサポートする話をしました」

今では日本代表選手として活躍する田中だが、母の中では幼き日の碧少年のままだという。

「幼稚園でサッカーをやっている時と変わらない感覚なんですよ。碧がサッカーをやっていることに関してあまりすごいという実感がなくて。ただテレビの代表戦でテロップの写真が出るじゃないですか?あれに碧が映った時には『うっわ!碧ここにいる!』と思いました」

「母の日」感謝の気持ちを形に

そんな母へ感謝の気持ちを形にしたい。とある日、練習の合間に田中が向かったのが、香水やボディケア商品を扱うショップだ。

「母の日のプレゼントを買いに来ました。普段使うもののちょっといいやつがいいんじゃなかと思って」

自ら匂いを確かめ購入したのがボディークリームとボディーソープのセットだ。帰宅して母・知佐子さんに感謝の気持ちと共に渡した。

「これ母の日のプレゼントです。いつもありがとうございます!」

キッチンで袋を開けてボディーソープとボディクリームを手に取った母・知佐子さんは喜びに溢れた。

「わーありがとう!使う使う!」

「誰かの為に頑張んないと」

この日も母と手料理を食べながら田中は決意した。

「頑張んないと。自分のためにだけじゃなくて、誰かのために頑張んないとなって思います」

そして、母の前でひと言続けた。

「うまい!」

母のサポートを力に。11月に開幕する人生最大の決戦「FIFAワールドカップカタール2022」に向け、田中碧はドイツで成長を続ける。

キリンチャレンジカップ2022
6月2日(木) 日本×パラグアイ
フジテレビ系列にて放送

FIFAワールドカップカタール2022
12月2日(金)日本×スペイン
フジテレビ系列にて放送