新潟県三条市で活躍する女性タクシードライバーが、コロナ禍で始めた取り組みによって一躍人気者に！その取り組みを取材した。
車両点検をして駅へ 乗客を待つワケではなく…
新潟県三条市にあるタクシー会社「三条タクシー」。
タクシー車両の中には、かわいらしいラッピングをした車両も並んでいる。この車両で業務にあたるのが、女性ドライバーたち「さくらチーム」だ。
このチームの1人、刈谷陽和（かりや ひより）さん。
陽和さんは毎朝の車両の点検を終えると、タクシーで燕三条駅に向かった。ここで乗客を待つのかと思いきや、セッティングしたのはスマートフォン。すると…。
タクシードライバー 刈谷陽和さん：
新潟県三条市、25歳のタクシードライバー・ひよりんです。よろしくお願いします
始めたのはTikTokでの生配信。陽和さんは月曜から金曜に出勤し、毎日生配信している。視聴者とコメントを通じてやり取りをする中でも会社のPRを忘れない。
タクシードライバー 刈谷陽和さん：
支払いはバーコード決済のほか、各種クレジットカードを取り揃えています
そのほか、新潟県内のオススメスポットのPRも。
タクシードライバー 刈谷陽和さん：
弥彦は色々見たり食べたりできるので、すごくオススメ
晴れた日にはタクシーで実際に新潟県内の観光地に向かい、その魅力も発信している。燕三条駅で行った生配信は、平日の午前中にもかかわらず最大で400人近くが視聴していた。
タクシードライバー 刈谷陽和さん：
タクシーだとお客さんに合わせ、話す人だったら話すし、寝たい人だったら話さないようにしている。配信はずっと話さないといけないので喉が渇く
「会社に恩返しを」県外から訪れるファンも
なぜ、TikTokでの生配信を始めたのか。
タクシードライバー 刈谷陽和さん：
新型コロナウイルスの影響で徐々にお客さんが減っていき、一日に一人も乗らない時期もあった。その時に何かできないかと考え始めました
新型コロナウイルスによってタクシーの利用者は激減。それでも変わらず給料を支払う会社に恩返しをしたいと思った陽和さん。「新しいことに挑戦することが好き」という性格もあり、SNSを活用して会社の広報活動を始めたという。
タクシー客を待つ時間を利用し、車内での生配信を開始したのが2022年1月。開始するやいなや、2週間でフォロワーはなんと1万人超え！4月27日時点でフォロワー数は3万7000人に上っている。
電話やSNSのダイレクトメッセージで、タクシーの貸し切り運行の予約を受け付けている陽和さん。ファンは全国に広がっていて、長崎や福岡からもファンが訪れたという。
その存在は地元でも話題に。
地元の人：
TikTokとインスタグラムで見た。たまたま陽和さんがおすすめで出てきて、近所だなと思い、気になってたまに見る
運転手×インフルエンサー 新潟の魅力を発信
SNSに投稿する動画を撮影する際には、こだわりがあるという。
タクシードライバー 刈谷陽和さん：
タクシーの運転手だよということが分かるように、動画の背景にタクシーを入れたり、テロップで社名を入れている
自身で描いたイラストを使ったグッズなども販売する陽和さんだが、インフルエンサーとして独立することは考えていないのだろうか。
タクシードライバー 刈谷陽和さん：
独立は全く考えていない。会社に感謝の気持ちを伝えたくて始めた配信なので、これからも会社のためになるように生配信を続けていきたい
タクシードライバー 刈谷陽和さん：
新潟県の良さを知ってもらうために、たくさんの県外の人に新潟県の燕三条駅に降りてもらえるよう配信していきたい
異色のタクシードライバーは、SNSを通じて地域の魅力を発信するため走り続けている。
（NST新潟総合テレビ）
