全国で「まん延防止等重点措置」が解除されてから1カ月が経ち、そしてゴールデンウィークが近づいてきた。

19日には山際新型コロナ対策相が、今年のゴールデンウィークは行動制限をかけない考えを表明。政府がゴールデンウイーク中に都道府県を越える移動や自粛を呼び掛けないのは3年ぶりとなる。
 

ハワイのイメージ画像
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海外旅行の大人気スポット“ハワイ”の今

“ウィズコロナ”生活へと転換するこうした動きを受けて、大手旅行会社が人気リゾート地・ハワイツアーのゴールデンウイークからの再開を発表。
そして全国の旅行会社でつくる日本旅行業協会は4月3日~7日にかけて、ハワイに視察団を派遣し、現地での安心で安全な受け入れ態勢の確認などを実施。 水際措置の緩和が進む中、来たるべき海外募集型・受注型企画旅行の再開に向けた準備の一環だという。

では実際、日本では厳重な感染対策が求められているが、コロナ禍のハワイは今どうなっているのか? また、他の地域への海外旅行についてはどうなのだろうか? 日本旅行業協会の担当者に聞いてみた。


――今、ハワイはコロナ禍でどうなっている?

1日の感染者数は100人前後になっており、米国の中でもハワイは圧倒的に感染者が少なくなっています。感染者数の発表も毎日ではなく、週ごとになっています。日本からの観光客はほとんどいません。現在のハワイへの観光客はコロナ前の7割くらいに戻っていますが、そのほとんどは米国本土からの観光客です。空港では韓国からの観光客もみかけました。


――コロナで日本からの旅行者はどのくらい減った?

コロナ前の2019年は約160万人が訪れていましたが、2020年はわずか2万4千人となってしまいました。

――ハワイの店舗の状況は?

店舗は通常通りに営業しています。ただし、コロナの影響で、日本人向けの多くの飲食店やショップは休業や営業時間の短縮をしています。

3月26日から屋内でのマスク着用義務が廃止

――現地では、どのくらいの人がマスクをつけているの?

ホテル従業員やレストラン従業員はマスク着用しているものの、3月26日から規制が撤廃され、一般の方々でマスクを着けている人はほぼいません。日本とは別世界です。ワイキキも人出が多く、飲食店といった屋内でもマスクを着けている人はいません。


――感染対策はどうなっている?

各施設入り口に消毒薬が置いてあったりというのはありますが、感染者数が少なくなっていることで、感染状況に即した対応がとられています。3月26日から屋内でのマスク着用義務が廃止され、飲食店でのワクチン接種証明または陰性証明確認義務も廃止。ほぼコロナ前の日常に戻っています。

――ハワイでは入出国の隔離は行われているの?

日本でPCR検査をし、日本から飛行機に搭乗する際にワクチン証明書などの書類もチェックされているので、ハワイ入国時は一切検査やワクチン接種証明の確認などはありません。通常のパスポートのチェックのみです。

ハワイ出国前はPCR検査が必要です。日本入国時には再度PCR検査があり、書類のチェックも何度もあり、日本は非常に厳しく、入国に時間がかかっています。飛行機の到着状況などにもよりますが、成田空港では短い人で3時間程度、長い人で5時間以上かかるケースもあります。


――では、パッケージツアーの実施はいつごろ?

ANAHD、ジャルパック、JTB、HISがゴールデンウィークのハワイツアーの実施を発表しました。しかし、本格的に海外パッケージ旅行が再開するには入国者数の制限が撤廃されなければ難しいと思います。夏休み前には本格的に再開できることを切望しています。


――その他の地域の海外旅行はどうなる?

前述の通り、入国者数の制限が撤廃されなければ海外旅行の本格的な再開を望めません。制限が更に緩和、もしくは撤廃され、夏休み前には本格再開できればと思っていますが、コロナ前のような状況にすぐに戻るわけではなく、往来が可能な国から徐々にということになると思います。

ハワイに関しては、入国時に検査やワクチン接種証明の確認などがなく、現地の状況も「ほぼコロナ前の日常に戻っている」ことがわかった。一方で「海外パッケージ旅行が再開するには日本の入国者数の制限が撤廃されなければ難しい」とのことなので、気軽に海外旅行に出かけるとはまだいかないようだ。

早くコロナが収束し、以前のように海外旅行ができるようになるには、もう少し時間が掛かりそうだ。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。